世界観重視かキャラ重視か
さてさて、小説に限らず物語を描くにあたって、キャラを重視するのか世界観を重視するのかは永遠の命題のようにも感じます。
漫画の場合はかの劇画村塾主催の小池一夫先生曰くキャラが大事だと。漫画はまずキャラありきを提唱しておられます。
私もキャラだと思うんですよね。想定した物語にするためにキャラの言動をコントロールしちゃうとプログラム通りに動くロボットみたいな感じになる気がします。
キャラクターが動いて中々思い通りに行かないけど、うまく遊ばせている内に何とか形にはなった。使えなかった設定もたくさん出て来たけど。
これでいいと思うんですよね。
例えば設定って考えると全部表現したくなるじゃないですか。
でもそこを敢えて必要以上には出さない、語られない設定があるくらいでちょうどいい気がします。キャラを暴走させ過ぎて物語が破綻してもいけませんけど。
魅力的なキャラをたくさん出すと物語にも幅が出ます。だからと言ってその物語に合わな過ぎるキャラは雰囲気を壊す気がして個人的には出したくはないですね。ギャグとかならいいですけど。私はあんまり足を引っ張る系のキャラが好きではないのです(汗)。
魅力的なキャラを作るにはそのキャラを深く作り込む事が重要ですよね。名前と容姿と性格と好き嫌いと行動原理くらいは最低用意したいです。
後は口癖やら生年月日やら好きな言葉やら信じているジンクスやら朝型か夜型かとか服装や音楽などのセンスやら病歴やら嫌いなものに対する反応やら逆に好きなものに対する反応やら……考え始めると切りがありません。しかも多分作りすぎると途中で忘れます。キャラを多く出すなら尚更。
性格は取り敢えず単純に熱血、クール、のんき、せっかち、恋愛脳、おバカくらいに分ければ取り敢えずはいいでしょうか。戦隊モノとかアニメのおそ松さんなどが参考になるかな。
キャラ重視とは書きましたけど世界観も大事ですよね。しっかりとした世界観の中で魅力的なキャラクターが活躍するのが理想だと思います。物語を魅力的にするにはキャラが輝いてこそだと言うだけで。
この人、文章もうまいしテーマも深いのにどこか面白さが薄い気がするって作品はきっとキャラの魅力が足りていないのだと思います。キャラが魅力的ならば会話文のみのSSでも十分面白さを感じますしね。
人間はどこかしらに欠陥を持つものですし、キャラを完璧にしないのも重要でしょうね。愚かで切ない生き物で心も弱くて失敗もたくさんするしズルもする。人間臭い表現が共感を呼ぶのでしょう。
若い子は無鉄砲で老人は含蓄の深い言動をする。そして中年は中年の悲哀を背負っている(汗)。それを踏まえた上で敢えて崩すのはありだと思います。
最近は暴走する老人の話題が多くて老人のイメージが崩れてきている気もしますけど(汗)。
漫画家講座とかで身近な人間をキャラに出すといいって言われていますけど、それもありですよね。人間観察をして魅力的なキャラを生み出して面白い物語を作っていって欲しいと思います。
ここまで書いておいてアレですが、自分も全く上手くキャラを転がせていません。しっかりキャラを遊ばせて、作者でも手に負えないくらい活躍させられるようになりたいものです。
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