或る少年に捧ぐ夕暮れ妄語

作者 悠月

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Good!

 人は生まれながらにして特別な才能を有している。ところが、多くの人間はその才能に気付かずに、いつしかその才能を忘れ去ってしまう。
 著者はまだ若いのだと私は感じた。若いからこそ、多くの未来について希望を語るのだと感じた。しかし、著者自身が語る言葉を『妄語』と表現しているところが切ない。
 自分の才能の萌芽に気付きながらも、それを信じ続ける力に対してどこか冷めた態度が文章の全体から伝わってきた。はっきりと言いたいことはあるけれど、それを他者に上手く伝えることが気恥ずかしい感じ。著者に対して私は『書き続けて欲しい』という強い気持ちを抱いた。こんなところで止まってどうする?という気持ちの反面、書き続ける意思が無いのかも知れないと思って寂しさを感じた。
 出来る事ならば、自らの書くものに向き合う者の一人として、この作品が何度も何度も様々な事柄について試みられ、たとえ駄文であれ、失笑ものであれ、失敗作であれ、続けて欲しいと私は願った。
 誰もが夢を思いながら、その夢を実現する道半ばで散っていく。束の間の栄光に胡坐をかいて去る者もいれば、過去の栄光を思い続けて朽ちていく者もいる。ところが、『書く』ことを『呼吸』とほぼ同義にしている者もいる。
 この文章は今はまだ妄語に過ぎない。単なる夕暮れに過ぎない。それでも、多くを語ることによって妄語は妄語にあらず、夕暮れは次の事象へと進む。
 この淡き著者の記録をしっかりと最後まで、私は見届けたいと強く望んでいる。次なる妄語の訪れを待ち侘びている。