4.白黒



すぅ、ふぅ、すぅ、ふぅ、すぅ




ざく、さく、じょく、ざく




ふぅ、すぅ、すぅ、ふぅ




じゃく、じゃく、ざく、ざく




ああ




かいだんがみえる


このまま


此の侭こ まま、ずうと白黒しろくろだったらいのにと思う。

いや事等ことなどもう忘れてしまった位に。

屹度きっとむこうに永遠○○○○るのだと。

そうでなければこんなところにはない。


ひゅう、ひゅう


ゆびがかじかむ、あしがこごえる

あせがひえる、からだがこおりになる


其処そこでわたくしは目隠めかくしをされました。

ほっと安心あんしんしました。

れで御仕舞おしまいなんだ、と思ったからです。



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“女”が上手から中央へ向かいます。

“杉吹峠の怪異”が下手から中央へ向かいます。

“杉吹峠の怪異”は白い布で全身をすっぽりと覆い、

後ろへ長く布を引きずっています。

顔の当たりを大きな丸い鏡で隠すように掲げています。

台詞を終えると、二人は踊るように中央で動作をします。


舞台の明かりが消えます。



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