星を視るもの

桜雪

目的と手段

「おい!携帯を出せ!」

「えっ?」

「早くしろ!刺されたいか!」

若い女性が、男に恐る恐るスマホを差し出す。

「言うとおりに操作しろ!いいな!」

ナイフを女性の胸にチクリと刺しながら男は脅す。

「まず、ネットに繋げ」

「カ・ク・ヨ・ムで検索しろ!」

「会員登録するんだ!急げ!無料だから安心しろ…」


「登録できたか?出来たのか!」

「はい…」

「よし、サクラユキ…花の桜に、雪…白いアレだ!で検索!」

「いいか、上から片っ端から読んで、★3個付けろ!」

「長いのは1話だけでいいからな…」

「おい!なんならレビューしてもいいぞ…」


…………………

「終わったか?よし…行っていいぞ!あっ待て!面白かったか?なにか気に入った小説はあったか?」

「お湯ラーメン?…そうか…うん…他は?そう?そっち系?…まぁいい!行け!」


男は別の女性に声を掛ける。

「おい!携帯を出せ!」

「えっ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る