　この作品は『転生したらスライムだった件』の劇場版です。タイトルで分かりますよね。映画の内容はＴＶ版の続きではなく、映画用のオリジナルストーリー。とは言え、映画の話の時間軸はＴＶ版の後の話になっています。

　だから、ある意味ＴＶ版の続きの話でもありますね。原作に描かれていないだけで。そう言う立ち位置の外伝になります。

　この映画、入場者特典に転スラ０巻がついてくるのですが、文字情報は少なめです。漫画とイラストが多いんですよ。その辺りはちょっと特殊ですね。普通はキャラ設定とか制作秘話がチョコとチョコと載っているものですけど。ファンブックみたいな０巻になっています。

　これを読んでいたら、転スラのスピンオフ作品って多いんだなあって実感しましたね。ラノベ系でここまでスピンオフが多い作品ってないんじゃない？　島耕作だった件も合わせたら７作品もありますよ。児童書版もあるので８作品かな？　すごすぎる……。

　で、ストーリーの紹介はネタバレになるので詳しくは出来ませんけど、リムルが魔王になった後の話なので作中で苦戦する話ではありません。とは言え、バトルでは全然本気を出していない感じでねえ。そんな雑魚瞬殺出来るやろ……と思いながら観ておりました。瞬殺したら映画にならないって分かってますけどね。

　だってリムルの相手、小物なんですもん。おっと、ネタバレしてしまいました。

　物語の構造は上手く出来ていましてね。各キャラにそれぞれ見どころがあるような作りになっていました。ベニマルの兄貴分が出てくるので、メインはベニマルと言う事になりますけどね。

　ラストの展開がどんでん返しを重ねてくるので、上手く作ってるなあと創作者視点で感心したり。

　物語のスケールはあまり大きくないんですよ。舞台になるラージャ小亜国をリムル達が救うと言う話。映画製作陣はこの映画から転スラを知っても楽しめる作品を目指して作った的な事を言ってますけど、序盤に原作紹介的なエピソードは挟まれていないので、この映画が転スラ初見だと意味が分からないとは思います。まぁ、そう言う人はレアだとは思いますけど。

　アニメの質はＴＶ版と同程度に感じました。映画だからＣＧがグリングリンだとか、画質が更に良くなるとか、そう言う風でもなかったかな。これは私がそう感じただけで、実際は色々とリッチになっているのかも知れません。多分音質はよくなっているハズですし。

　少なくともガッカリ映画ではないです。話のスケールが小規模なのはちょっと残念に感じましたけど。もっと派手に暴れるメンバーが見たかったなと言うのはありますね。バトルに関して言えば……。

　映画、転スラファンの方なら楽しめると思います。私もしっかり楽しみましたよっ。