ミタマセキュ霊ティ

 ミタマセキュ霊ティとは、先週(※執筆時)の合併号で堂々の完結した少年ジャンプ連載の心霊ギャグ漫画。作者は鳩胸つるん先生。私、この作品が好きでした。

 羽瀬 玲奈と言う霊に好かれる体質で常に背後霊100体ほどを引き連れているヒロインと、その霊達を除霊しようとしたプロのセキュ霊ティ、御霊 浄の繰り出す浄霊ギャグが面白かったです。


 約一年で終わったこの作品、確かに打ち切りだったのでしょう。面白かったのに。ずっと浄とハゼレナのくすっと笑える日常エピソードを見ていたかったなぁ。

 ジャンプのギャグ作品は大袈裟なシリアスモードになったら終わりと言う法則があるのですけど、ミタマは一瞬だけすごくシリアスな展開になりつつ、そこを乗り越えたので安泰だと思っていたのに……うう、残念。


 ミタマの面白さは、ハゼレナの連れている背後霊のみなさんがとてもいい霊ばかりでついつい見守っていたくなるところですね。ギャグ漫画だから基本的にピンチになる事はないんですよ。ピンチっぽくなっても浄が何とか解決してくれますし、ハゼレナには最強の背後霊、ゾビロもいますし。

 ミタマの場合、霊はハゼレナが好きで集まっているので家族みたいなものなんですよね。すごくアットホームな雰囲気が好きでした。特に解説のおじさんは体型といい、喋り方といい、いいキャラですよね。


 背後霊達は霊なので基本姿がほぼ一緒なんです。描き分けはゾビロ以外は大きさと体型くらい。ただし、変身能力を持つものも数人いて、彼らは特定の姿になる事もあります。とは言え、このぞんざいなデザインの背後霊達が私は好きでしたね。多分悪霊じゃないからだと思います。悪霊のデザインでいい性格と言うのも新鮮ですよね。


 そう言う背後霊達なので浄もあっさりと除霊をあきらめて霊達の味方になって、彼女の背後霊を除霊しようとする同僚から霊を守る立場になるんです。ある意味お約束の展開ですが。その同僚達もおかしなのが多くて面白かったですね。


 で、この作品の面白さなのですけど、一番は浄のおかん気質でしょうか。仲良くなった後は事あるごとにハゼレナの世話を焼くんですよ。毎回のそのやり取りが楽しかったです。作品の中盤以降は作者の作風の変化からかキャラの変顔が多くなって、それもまた楽しみでした。


 作中での一番のシリアスシーンを思いっきりギャグでお茶を濁してからは、長い長いエピローグに入っていたのでしょうね。いつ最終回を迎えてもおかしくない雰囲気があったので、いきなり最終回を唐突に迎えてもそれを納得出来る自分がいました。

 俺たちの戦いはこれからだ! と言う事で。激戦のジャンプでの連載、まずはお疲れさまでした。鳩胸先生の次回作にも期待しております。

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