和田ラヂヲの火の鳥

 私ね、先日久しぶりに普通の漫画の単行本を買ったんですよ。あ~るの10巻以来だなぁ。何故この本を買ったかのと言うと、聴くラヂヲユーザーだったのと単行本が目に入ったから。実は和田ラヂヲ先生の単行本を買うのはこれが初めてだったりします。

 出来れば同時期に出版された『容赦ない和田ラヂヲ』も購入したかったところですが、軽く探しても見つからなかったので残念ながら火の鳥のみの購入です。


 で、この本ですが、火の鳥の外しっぷりがスゴい。この単行本は8ページ漫画が18話とおまけマンガから成り立っているのですが、まともに火の鳥が出てくる話はすごく少ないです。その少ない話でも火の鳥が手塚版のように人間に対して何かを言ったりはしません。火の鳥と同じ姿の鳥がその場にいる、くらいの存在感です。


 和田ラヂヲ先生と言えばシュールなギャグ漫画と言う作風ですけど、この和田ラヂヲの火の鳥でもそのシュールっぷりが爆発しているのですよね。そうはならんやろって展開ばかりがページを捲る度に目に飛び込んできて困惑する事間違いなしです。私も読んでいて何度頭の中にはてなマークが並んだ事か。


 こう言う発想を出来る人がいると言うだけでもすごいです。シュールギャグはネタが全てですからね。そりゃラジオでもキレッキレの反応が出来る訳ですよ。唯一無二ですな。きっとギャグ漫画家は芸人でもやっていける気がします。ギャグ漫画家で芸人って人もいますしね。


 話が少し漫画の紹介とズレましたが、軽く説明をするとこのマンガはオムニバスシュールギャグ短編集なんです。各話に必ず火の鳥にちなんだエピソードが出てきます。これ以上はギャグなんでね、細かく説明するのは野暮なんですよ。どうか読んでその不条理さを楽しんで欲しいと思います。

 基本的にツッコミ役がいないので、話のおかしさに読者が突っ込む感じですね。多分読んだら1ページごとに心の中で何でやねーんって突っ込むんじゃないかな。


 シュールギャグって普通のギャグ漫画より読者を選ぶと思いますが、だからこそ、合う人にはすごく合う作風になっています。ファン向け、信者向けですよね。万人向けをして欲しいところですけど……。面白いんですけどね。

 派手な笑いと言うより、意味が分かってあれ、これ変じゃね? って感じの話が多いからなぁ。


 話の内容はネタバレになるので書きませんけど、タイトルは紹介したいと思います。このタイトルでどう火の鳥に繋がるんだと思わせられればこっちのものですヨ。


 訪問編

 修行編

 ジュピター編

 名機編

 文明編

 病院編

 ペット編

 航空編

 時代編

 高校野球編

 再就職編

 演出家編

 将棋編

 エリア51編

 登山編

 停留所編

 プロミス編

 アート編

 おまけ


 ちなみに、私が好きなのはペット編です。ペット編は割と普通のギャグ漫画になっているところもいいですね。分かりやすいオチで。

 そう言う話から全く意味の分からん話まで、内容はバラエティに富んでおります。もう最高です。


 普通の漫画ならともかく、こう言うシュール系の作品はアレですね、読者のコメントが欲しくなります。単行本にそんなコーナーはないのに。

 どうやらネット漫画、ツイッターマンガに毒されてしまったようです。昔はこんな事なかったのになぁ……(汗)。

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