Fairy gone フェアリーゴーン

 フェアリーゴーンはキャロル&チューズディ、さらざんまいと並ぶ今期3大オリジナルアニメのひとつですね。キャロチューやさらざんまいと比べると若干注目度は下がるかなと言う感じです。

 とは言え、決してつまらないと言う訳ではなく、独自の世界観が中々に面白い作品だと個人的には思っています。


 この作品の舞台はこの世界とは違う異世界ですね。ファンタジーな異世界ではなく、19世紀後半から20世紀初頭っぽい文明レベルのヨーロッパっぽい文化圏に設定されている世界――なのかな。そんな雰囲気です。

 それだけだと幼女戦記の世界に近い感じですが、あちらは異世界とは言え実際のドイツとかアメリカとかそう言う国をモデルにした世界でした。この作品では文化はそう言う時代のものに近い感じですが、国とかは完全に創作されているみたいですね。モデルにしている国とか文化とかはあるのかも知れませんけど。


 異世界と言うとファンタジーなイメージが強いので、パラレルワールドと言った方が近いのかなぁ。100年ちょい前くらいの時代のパラレルワールドって言うか。

 なので魔王も魔物もいないのですけど、そのタイトルの通りに妖精は存在する世界です。お約束のようにその妖精は戦争に使われ、現在も妖精を使った犯罪が進行形なのですね。


 この妖精の使役方法が多分この作品の一番の売りなのでしょう。元になる妖精原体を自分の体に宿らせて、それぞれの資質に応じた多種多様な妖精兵を現出させるのですね。これ、選ばれた人間にしか出来ません。お約束ですね。

 ぶっちゃけ妖精兵同士の戦いはジョジョのスタンドバトルですわ。今回はスタンドバトル方式で戦う作品が本家ジョジョと消滅都市とこの作品の3作品も被っています。面白い偶然ですよね。


 設定の説明はこのくらいにして全体的な感想を簡単に語りますとですねぇ、やっぱり完全オリジナルな世界を舞台にしているのもあって、最初のとっつきは悪かったです。覚えなきゃいけない情報が多過ぎて。初期の数話で脱落した人も多いかも知れません(汗)。

 そこを乗り越えると段々面白くなってきます。人を選ぶとは思いますけど。主人公サイドがあんまり強くないので、敵を逃しまくりと言う展開を好むかどうかですね。


 主人公マーリャの目的は親友を探し出して共に暮らす事……なのかな。登場人物が結構多くてそれぞれにドラマがあるので、油断すると訳が分からなくなります。様々な思惑が複雑に絡まり合って先の読めない展開を面白く感じるかどうかですね。


 独自の妖精兵バトルも面白いのですけど、簡単にはバトルに発展しません。その必然性がある場合に戦闘になります。それが吉と出るのか凶と出るのかは分かりませんけど。

 キャラデザインもオタク向けと言うより大人向けに寄っているので、真面目な作風とも言えますね。


 展開がじっくり目だなと思ったら分割2クールとの事。だから物語も設定も複雑に出来たんだろうなぁ。

 妖精を巡る戦いが小競り合いのレベルで済むのか、スケールを大きくしてしまうのか、これからもじっくりと楽しみたいと思います。

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