終末のイゼッタ

 秋アニメの怒涛の最終回ラッシュを受けてまた本来のアニメ感想に戻りますぞよ。

 と、言う訳で今回はやたら序盤から人の命が軽かった終末のイゼッタの感想です。


 この作品、一話から展開がかなりハードでしたよね。戦争がテーマ、しかも第二次大戦時のヨーロッパのオマージュなのでガンガンに人が死にます。あんまりあっさり人が死んでいくのでサブキャラに容赦ないなって思いました。


 勿論主要キャラは中々死なない訳で、どのキャラが優遇されているのか丸分かりでした。戦争がテーマだからね、仕方ないね。


 主人公のイゼッタは最後の魔法使いらしいです。彼女がかなり魅力的に描かれているのでそれでこの作品を見ていた人も多いでしょう。ナイスバディですしね。


 イゼッタはドイツがモチーフのゲルマニア帝国の秘密兵器と言う扱いで登場します。彼女が何故捉えられていたのか、そのシーンを私は見逃しているので真相は知らないままなのですが、目覚めたイゼッタは過去に恩義のあるエイルシュタット公国の姫、フィーネに仕えるようになります。


 イゼッタがなぜ終末なのかの答えはストーリー後半に判明する事になります。最終兵器的な意味で終末だったんです。ゲルマニア帝国は魔女の研究をしていて、その研究の末、魔女の力を利用した兵器を作っていたんですな。


 物語は小国エイルシュタットが魔女の力を借り、侵攻してくるゲルマニア帝国に抵抗する形で進んでいきます。次第に魔女の存在が知られるようになり、その力を誇示して国を守る方向に話を進め、徐々に抵抗勢力に味方が増え始めたところでゲルマニア帝国側が新しい魔女を登場させます。それはかつてエイルシュタットを救った伝説の白き魔女本人のクローンでした。


 クローンが何故か過去のいきさつを記憶として持っていると言う都合のいい展開の中、イゼッタと白き魔女、ゾフィーは戦い、イゼッタの圧倒的敗北に終わり戦況は一変します。

 このまま一方的にエイルシュタットはゲルマニア帝国に滅ぼされてしまうのか!


 と、最後まで説明するのも野暮なので物語の説明はここで止めますね。


 戦争をテーマにした魔女っ子と言う新機軸は唯一の魔女の生き残りと言うコンセプトが上手く働いたように思います。秘密を守るために殺したり殺されたりと優しい絵柄の割に戦争の非常さもきっちり描かれていましたね。

 それと魔女の設定もレイラインとか魔石とかそれっぽい言葉をうまく活かしている感じでした。


 後、昔の魔女がほうきで空を飛んだようにイゼッタは戦いの場において兵器に乗って空を飛ぶんです。このビジュアルは新鮮でしたねぇ。この世界の魔女は物に魔力を宿らせる事が出来る設定で、ファンネルよろしく色んな物質を思い通りに動かして行う戦闘シーンは痛快ですらありました。あんなの人間が勝てる訳がないよ!魔女つおい!


 物語の最後、各国の動きが史実通りの展開を迎える所はちょっと笑えると言うか、そこも忠実なんだって思ってしまいました。最後は秘密潜水艦で南極に逃げるって設定でも面白かったのになぁ(オカルト脳)。


 冷酷に人が死ぬ作品でしたから最後の最後があのオチなのはちょっと肩透かしと言うか……。ま、個人的な意見ですけどね。

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