不機嫌なモノノケ庵

 秋アニメもクライマックスに近付いていますけど、この作品はその中でしっかり見ている幾つかの作品のひとつです。妖怪モノは人情モノと相性が良いですよね。


 見ていない人に簡単に説明すると、この世で彷徨う居場所のない妖怪をあちらの世界に送り出す仕事をしている高校生2人の物語です。この2人の関係が微妙でいいんだなぁ。


 主人公が芦屋あしや 花繪はなえ、この主人公のを雇う上司(同級生)が安倍あべの 晴齋はるいつき。この名前、陰陽師好きならピンときますよね。蘆屋道満と安倍晴明ですよ。この物語にどこまで関わるか謎ですが。ただ名前を借りているだけかも知れませんし。


 で、タイトルの不機嫌って言うのは安倍 晴齋の事なんですね。基本的に彼、常に不機嫌な態度をしているんですよ。

 でも実際は不機嫌に見えるだけだけだったりもするんですけどね。


 で、モノノケ庵の方ですが2人の仕事場で不思議な空間になっています。妖怪をもてなしたりもします。4畳半の茶室の姿なのですが、その実ちゃんとした妖怪らしいです。どこでもドアみたいにどこでも現れます。


 妖怪を祓う方法は妖怪が生活する隠世に通じる隠世の扉を開いて、そこへ妖怪達に入って貰う形をとっています。浄化とかの光りに包まれる系のごまかしではなく、そこに通じる道を作って帰って貰うと言う方式はちょっと現実的でいいですよね。


 妖怪を祓うにあたって妖怪の望みを叶えて未練を断ち切ってから祓うようにしているので、そのエピソードがまた泣ける話が多いんですよね。花繪も晴齋も妖怪目線でとても優しくて祓われる側の妖怪もみんな彼らに心を開いて、そして去っていきます。


 一番好きなエピソードはギギギの親分の話かなぁ。マンジロウの話も良かった。この物語に出てくる妖怪って基本的に悪い妖怪は出てこないんですよ、今のところ。妖怪達それぞれの事情がよく考えられていて必ず最後にはほっこりさせられます。


 この作品のメインキャラのひとり(?)にモジャがいるんですが、こいつが晴齋に取り憑いたところから物語が始まるんですね。最初は晴齋の生気を吸いまくってちょっと怖い部分もあったのですが、後にレギュラーキャラになって可愛くなりました。見た目が丸い小動物っぽくて憎めない造形なんですよね。作中の説明によるとその正体は人に飼われていた動物が死んで妖怪になったものなのだとか。白くて毛がふさふさなので元はそう言う犬系の動物だったのかも。


 こう言うお話に定番のように出てくる狐の妖怪も出てきます。やはり強力な妖力を持っていて準レギュラー扱いされています。ずっと子供の妖怪で晴齋と子供の頃から知り合っていました。物語が続けばもっと活躍する事がありそうです。


 物語的にはまだまだ序盤だと思うので1クール終わってそこで終わっても、ストックが溜まればきっと続編が作られると思います。

 アニメの雰囲気もいいし是非そうなって欲しいな。

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