BIRDMEN

 私は「結界師」が好きで単行本は全巻揃えているんですけど、同じ作者のこの作品も好きで読んでいるので、こちらも紹介せねばなるまいと今回筆を取り(キーを叩き)ました。


 BIRDMEN(バードメン)は週刊少年サンデーに月一で連載されているSFアクション系の漫画です。作者は「結界師」の田辺イエロウ先生。

 月に一度しか掲載されないので進みがすごく遅いです。連載から3年経ってやっと単行本8巻が出たばかり。のんびり楽しめるという言い方は出来るのかも。


 月イチ連載は何らかの事情があってそうなったのだと思うのですけど、その事情が改善されたなら毎週とは言わないまでも、せめて月2連載くらいにはなって欲しいかなと個人的には思っています。


 肝心の物語はと言うと、とある事情から特別な力を持つ存在になってしまった主人公達がその力の謎を解きつつ、その力とうまく折り合いをつけながら、関係する組織とかと戦ったりもするそう言うお話です。


 敵の存在はかなり巨大でエスカレートすれば世界を救う話にも発展しそうですけど、今はまだ物語の着地点がよく見えません。丁寧に話が進んでいますので、じっくり読む人に向いているのかな。


 主人公を含む主要人物は5人で、まるで戦隊物のようにキャラがはっきり分かれています。イケメン大富豪やパワー系脳天気男子、紅一点の元気娘にクール系キャラが2人。普通の物語では主人公タイプの素直熱血キャラはこの作品には登場しません。ひねくれ熱血キャラはいますが。


 分かり易い単純な話ではないんですよ。敵とされる組織も人類の進化のために暗躍していて、やたらと主人公側にちょっかいを出す訳でもないし、血なまぐさいこともするけど対象は飽くまでも関係者だけ。敵組織が一般人を襲うなんて在り得ない展開はありません。そう、一言で言うとリアルな物語なんです。


 主人公達も全員何らかの問題を抱えていたりして、その解決も作品のテーマになりそうです。そもそもブラックアウトって言う主人公たちを襲う現象も彼らのトラウマが形になったものですし。


 今は敵組織も主人公側をただの観察対象としているところがあって、そこまで執拗に攻撃とかはされていないのですが、これが完全に敵だと認識されてしまったら熾烈な戦いが待っているような気がします。


 敵組織の規模は絶大なので主人公達の今の実力じゃあ全く歯がたたないんですが、今後どんな力を身に着けて立ち向かっていくのか……「結界師」でも100%主人公の思い通りにはならない終わり方をしたので、納得は出来るけど淋しい……そんな終わり方をしてしまうのかも知れません。


 月イチ連載なので追いかける方としてはまだまだ十分射程距離範囲だと思います。まだ単行本でも8巻ですからね。ただし、かなり物語密度は濃いです。読み応えはあると思います。興味を抱いたなら是非読んで欲しいですね。

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