岡崎に捧ぐ
この作品は作者の山本さほ先生が親友の岡崎さんの結婚式の為に書き始めた漫画です。それをネットで公開したところ非常に人気になって、それで話がうまい具合に進んで商業漫画として改めて再スタートしました。さほ先生のプロの漫画家デビュー作です。
私はさほ先生を先生の描いたツイッター投稿1ページ漫画のひまつぶしマンガから知ったのですが、この作品にもすぐハマりましたねぇ。
その頃はネット投稿サイトnoteでこの作品は投稿されていました。noteと言えば作品を有料販売出来ると言うのも特色のひとつですが、この作品は無料で読めます。それもあって、この岡崎に捧ぐは当時からかなりの人気を博していました。
note時代の彼女はまだ会社員でした。それがこの岡崎に捧ぐのヒットでプロになったんです。ネットが新たな作家を誕生させたと言う点で時代を感じさせるエピソードだと思います。
新人漫画家ってデビューは20代前半が多くて、30代にもなって日の目をみない人は見込みゼロと判断されてしまうそうです。もし山本先生がその条件でデビューを目指していたらきっと同じような目に遭っていた事でしょう。年齢できつくなって来たらWEBで実績を作るの言うのもいいかも知れないですね。
私は山本先生のTwitterをフォローしていたので、先生がプロになる過程をつぶさに見ていました。最初に岡崎に捧ぐが縁で大御所の糸井重里さんとの繋がりが出来ます。それからファミ通が好きと公言していたらファミ通で連載を持っていた鈴木みそ先生とも繋がります。
それからは縁が縁を呼んであれよあれよと漫画家へ進む道筋が出来ていきました。私はそれをすごいすごいと思いながら見ていましたよ。作品が持つ力ってすごいですね。
と、長々と漫画の背景ばかり話してしまい申し訳ありません。ではそろそろ漫画本編の話をしたいと思います。
この話は山本先生と岡崎さんの出会いから岡崎さんの結婚までの物語です。まだ連載の途中ですが、最後はきっと岡崎さんの結婚式の描写で終わると思います。
そしてこの物語はその時代を生きた人にとっては懐かしい思い出の詰まった作品となっています。簡単に言えば90年代版ちびまる子ちゃんみたいな。
ただ、ちびまる子ちゃんと違ってこの作品のキャラは成長するんですけどね。小学生から物語は始まって中学生時代を過ごし、今連載は高校生編に入っています(※執筆時)。
どの話もその世代特有のあるあるで満ちていて同じ時代を過ごせなかった私にはなるほど~って感心しながら読むのですけど、ちょうど今20代後半から30代前半くらいの人にとっては共感しまくりな内容だと思います(※しつこいようですが執筆時)。
小学生時代には当時のブームのスーファミやらたまごっちやらのエピソードが、中学生時代では部活のエピソードなどが面白いです。当時あんな事があったなーと共感を呼べると思います。
山本先生もそうなんですけど、岡崎さんの存在がかなり強烈なんです。とは言えそれは家庭環境の境遇くらいで、やっぱり山本先生の個性の方がすごいんですが。
本音で生きて普通の枠に収まりきらない先生はエネルギッシュで素晴らしいです。 山本先生のクラスメイトも結構個性の強い人が多くて、そのエピソードもまた面白いです。特定の言葉にキレる人とか、そんな人が自分のクラスにもいたなあって、読んでいて自分の子供時代を振り返れたりするんじゃないでしょうか?
個人的な事を言えば、小学生編をもうちょっと長く続けて欲しかったなって言うのはあります。note連載時は岡崎さんの結婚式に間に合わすって目的があったからエピソードも厳選しなくちゃいけなかったと思いますけど、商業誌に移ってもうその足枷はなくなったのですから。
それに先生自ら描きたかったエピソードはもっと沢山あったって言ってましたからね。きっと色んな大人の事情が重なったんだろうな。
その世代の人もそうでない人も笑える部分や共感する部分はきっとあると思います。岡崎に捧ぐ、おすすめです。
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