星の光が消えぬ間に…

王夜

第1話 過去向きの今


2016年4月25日 (月)  21:50



最近、オレオにハマってます!


美味しいですよね、オレオ!


ビターでスイート!すてきなおいしさ!


皆さんも今日は甘いものでも食べて

明日へのカツリョク、身につけましょう![機種依存絵文字]



[本文とは全く関係ない自撮り写真]





…ふぅ。


書き慣れたアイドルりょくの高いブログを上げ終えたところで、

部屋の電気を消しさっさとベッドに滑り込む。

消灯した部屋で、窓から差し込む月明かりを眺めながら眠くなるまで思い耽ける。



私、桑園 和優(そうえん わゆ)。


芸能事務所と学校の両方を運営している、

いわゆる「アイドル学校」に所属しているアイドルだ。


アイドルを始めたのは今から約3年前の中学2年になる少し前。

今は高等部の2年生。進学、卒業、進学とあっと言う間に過ぎていった。



入ったきっかけは本当になんとなくだった。


ただ、環境やタイミングが良かったのだとふり返ってみるとそう思う。

たまたま目に入ったアイドル学校編入試験の応募。

親も学費が浮くならと簡単に了承。

筆記試験も得意な分野だったし、実技試験もお気に入りの曲が課題だった。



こうして流されるように

収まる場所に納まった、というわけ。

こうなること、「運命」っていうのかな。


"行雲流水こううんりゅうすい"とか、

"激流に身を任せ同化する"とか、

"乗るしかないこのビッグウェーブに!"とか、

ヒトは似たような言葉をいろいろ言ってきたみたいだけど

先人が言ってきたようにこの"流れ"を掴んだヒトは強いもので、

自分自身、そういった“流れ“を目に見えて感じ取れたのがラッキーだった…のかも。


だけど、自然の水の勢いはいつかは流れがゆるやかになるもので、

アイドルになってすぐは本当に目まぐるしく毎日が過ぎていったんだけど、

3年経った新年度になってからは指で数えるほどしか仕事をこなしていない。


こうして今までの自分自身を振り返る時間ができるほど、間が空いてしまった。


"流れ"が分からなくなってしまった―――。


これから先、どうすれば…どうしたら、いいんだろう??




(……アイドル、辞めようかな……。)


言葉にならない声がでた。



……アイドル失格だな、とネガティブになった自分を自覚し

さらに自己嫌悪になる。


不安を抱えた未来に何もかも放棄したい気分になった。

途端、まぶたが重くなったのでそのまま睡魔に任せて深い眠りに落ちた。




<第2話につづく…>

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星の光が消えぬ間に… 王夜 @Ouya08

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