宇宙人のあいつ

 この映画は長年暮らしてきた家族の1人が実は宇宙人だったと言う内容のコメディー映画です。5月19日(※執筆時)から封切られた作品ですが、地元は上映が始まったばかりなのです。田舎あるあるですね。ええ、あるあるです。

 あらすじで内容は薄々分かったと思いますが、かなりふざけた映画になります。コントと言うか、コメディと言うか、あ、喜劇ですね。邦画では割とよくありがちなやーつ。私の好きな映画『茶の味』もこのジャンルに含まれますね、ええ。


 ノリがね、茶の味と似てるんですよ。どっちがふざけているかと言えば、茶の味の方がふざけてるんじゃないかと思いますけど。こっちの映画は真面目なテーマもありますから。ちゃんとしたテーマもあるからコントではないな。やっぱ喜劇かな。

 茶の味もテーマがあるっちゃあるんですけど、この作品ほどハッキリはしていません。だからこそ好きなんですけどね。言語化出来ない面白さがあります。今回は宇宙人のあいつの話なので、茶の味の話はここまでと言う事で。


 この作品のテーマは家族です。家族の絆と言ってもいいかな。ヒューマンドラマではよく言及されるやつ。こう言うテーマはお涙頂戴な話より、こう言う喜劇の方が伝わりやすいかも知れませんね。映画の7割くらいはふざけているので、このノリが通じない人にはつまらないと思います。ギャグって本当難しいですよね。

 あ、私は割と楽しめましたよ。コメディ邦画って好きなんです。この作品はバナナマンの日村さんが出てますし、その点でギャグ強度が強いんですよ。


 有名原作がある訳でもなく、特に事前に大きな話題にもなっていなかったこの映画を私が観てみようと思ったのは、映画に出てくる宇宙人の出身星が土星だったからです。遥か遠くの架空の星とかではなく、割と身近な惑星。となると、何故土星? って思うじゃないですか。

 それに、都市伝説界隈では土星って結構重要な惑星なんですよ。だから映画で土星をどう言うふうに解釈しているのが気になったんですね。


 結論から言うと、割と考えられていたなと。主人公が地球に派遣されたのも家族を理解するためだったのです。土星にはそれがないから。おっと、ちょっとネタバレをしてしまいました。お口にチャック。


 映画に出てくる4兄弟は両親を亡くして兄弟だけでたくましく暮らしています。それぞれ別々の仕事をしていて、でも同じ家で助け合って生きています。こう言うテーマの話って家族が同じ仕事をしている展開が多いので、そこも新鮮でしたね。で、その違う立場での事件がそれぞれに起こって、解決して行って絆が深まって……。

 喜劇なのでそこまで深刻にはならないのですけど、起きる事件自体は割と重かったりもするんですよね。次々に家族に降りかかる問題を、みんなで見守りながら順番に解決していくって展開です。みんな仲がいいな。


 面白いのは、若い頃の回想シーンを別キャストにせずに演じているところ。日村さんがそのまま高校生を演じたり、長女役の伊藤沙莉さんが女子高生を演じたり。当然違和感はあるんですけど、作風が作風だからヨシ! って言うね。

 映画を観てから知ったんですけど、舞台、高知なんですよ。高知っぽさは割と少ないんですけど、ちゃんと名所でもロケもしていて、ああ、高知なんだなーと。でもなんでこのテーマで高知だったのでしょうね。その辺りはよく分からんかったです。実は深い理由があったりするのかしら?


 笑って泣けるほっこりドラマなので、そう言う作品が好きな人にオススメの映画です。結構ふざけているので、ノリが合わない人もいるかと思います。感性が合わない人には辛いと思うので、予告PVを見て面白そうと思ったら観てくださいね。

 私はとても楽しめましたよ。少なくとも、映画代分の満足感はありましたね。

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