AI崩壊

 先日の映画の安い日に観てきました、この映画。ぶっちゃけ、結論を言うと結構なご都合主義な映画だったなと。話の筋がね、今までの人工知能対人間の作品とあんまり変わっていないのよね。


 警視庁の作ったAI捜査システムと人間のベテラン刑事がそれぞれの方法で主人公を確保しようと動くんですけど、結果は皆さんの予想通りの展開になるのですよね。どんでん返し的なオチ、真の悪党も予想通りでしたし。

 観る価値がないとまでは言いませんけど、新鮮な驚きや感動は多分ありませんよと前もって言っておきます。


 これ、ネタバレをせずに感想を書くのは難しいな。タイトルはAI崩壊ですけど、別にAIは崩壊しておりません。暴走するだけです。タイトル詐欺やなぁ(汗)。


 映画スタッフはAIについてかなり研究したそうで、AI関係の説得力はかなりのものがある気はします。ただし、肝心のストーリーの方がね(汗)。こちらの説得力の方はかなり厳しかったです。


 プログラムの描写も、アレってリアルなのかなとも思いましたしね。細かいツッコミをしている内に映画が終わった感じがします。ああ、私もすっかり心が汚れてしまいました……(遠い目)。


 主人公は濡れ衣を着せられて警察のAI捜査システムに追い詰められるのですけど、居場所の特定がむっちゃ有能なのに捕まえるのが人間の警察官なので余裕で逃げられちゃうんですよね。本当に都合よく逃げられちゃう。

 物語の都合上だって分かっていても、逃げているのはその道のプロでなく、一般人ですよ。何故捕まえられんのやとしか思えませんでした(汗)。


 後、AIが撃って良し! と判断したら躊躇なく撃つシーンは怖かったですねぇ。ベテラン刑事さんがそれを止めようとするのですけど、当然ながら聞く人はいませんし。あの狙撃チームの人達、洗脳でもされてたのかしら?


 この映画の一番描きたかったであろうAIの怖さは十分に描写出来ていたと思います。ただ、この映画の人達、AIの指示に従いすぎやろと。お前の指示には従わん! って人がベテラン刑事だけなのはどうなんかなぁ……。


 エピローグで新聞記者の人がAIについて主人公に質問するのですが、その答えも私の胸には響きませんでした。おいちょっとズレてるぞとしか思えませんでしたね。

 それが私がこの映画にいまいち入り込めなかった理由なのかも知れません。最後に名言を残していたなら、そこで印象も変わったかもですのに。


 一応ミステリ作品でもあるので、犯人はこいつかな、それともこいつかも? ってミスリードをさせるシーンは出てくるんです。ただし、みんな外れてしまいました。ひねた話かと思ったら意外にストレートなのですよね。疑っていた善人の皆さん、ゴメンよーって感じです。


 この映画、エンディングテーマを歌っているのがAIさんなのです。AI崩壊なだけに。最後の最後にこんなオヤジギャグを持ってくるのってどうなん? とか思ってしまったり(汗)。


 で、この映画の言いたかったAIの怖さはAIを信用しすぎていると、いつかそれを利用されたら怖い事になるよって言う事。AIって結局プログラムなので、いじられたら自己修復出来ないってところじゃないかな。

 そのいじるのは悪意を持った人間と言う事で、AI怖い話を描きながら人間怖いって話で終わるって言うね。ほら、テンプレでしょ。


 ああっ、今回はかなりネタバレを書いてしまいました。映画未見で楽しみにしていた人、ごめんなさい。多分このエッセイを読んでから観ても楽しめるとは思うので、今からこの作品を観ようと言う人はここで読んだ事をすっかり忘れて映画を楽しんでくださいね。パシャ!(MIBで使う例のあのフラッシュ)

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