第三十九話 初めての言葉
目が覚めると、すぐ側にミフィーの顔があって、反対側にはなぜかジュディスの顔が。
昨夜はミフィーがどうしてもとお願いして同じ部屋に泊まったが、ベッドは別々だった筈なのに。
そんなことを思っていると、シュリの視線を感じたのか、ジュディスがパチリと目を開けた。
彼女はとろけそうな顔でシュリを見つめ、それから唇を寄せてきた。
目覚めのキスと言うには少々濃厚なキスを交わし、ジュディスは頬を紅潮させてにっこり笑う。
「おはよう、シュリ君」
「あう~(おはよう、ジュディス)」
意味不明の言葉と共に、念話を送る。
念話は便利だが、やっぱり早く言葉がしゃべれるようになりたいなぁと思う。
もう生まれてから1年以上たつのだから、そろそろしゃべれても良い頃だろう。
ちょっと試してみるかなーそう思ったとき、後ろから優しく抱きしめられた。ミフィーも目を覚ましたようだ。
「ん~、おはよう、シュリ。それからジュディスも」
「あら、おはよう。ミフィー。もう少し寝ててもいいのよ?疲れてるでしょう?」
ミフィーと話すときのジュディスは、出来る女という感じ。
寝起きとは思えないてきぱきとした口調で親しげにミフィーに話しかけてから、自分はさっさとベッドを出た。
「ちょっと先に浴室を借りて準備をしちゃうわね。着替えてから朝食の準備をするからちょっと待ってて」
そう言いおいて、浴室へと消えていく背中を見送る。
昨日シュリの前であれだけ乱れた女性と同一人物とは到底思えない。
そんなギャップも中々いいなと思いつつ、シュリはごろんと寝返りを打ってミフィーの顔を見上げた。
ミフィーの青い綺麗な瞳がとろんとしてる。
まだ眠そうだ。
だが、自分を見上げる息子に気づくと、慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。
シュリは美しい母の顔を見上げながら、新しい試みを試すことにした。
「みー、みーふぃー?」
思ったより上手に言葉が繋がった。
ミフィーはきょとんとした顔でシュリを見つめている。情報の処理能力が追いつかないようだ。
シュリは、更なる技量の向上を目指して、もう一度頑張ってみた。
「み、ふぃー……ミフィー?」
さっきより、上手に母の名を呼べた。
どうだとばかりにミフィーの顔を見上げると、すごい勢いで抱きしめられてぐえっとなる。
(ちょ、ミフィー、ち、力加減、間違ってるから!!)
声にならない悲鳴を上げるが、幸い腕の力はすぐに弱まり、彼女の嬉しそうな顔がすぐ目の前に見えた。
「シュ、シュリ?もう一回、もう一回呼んでみて?」
ミフィーのそんなお願いに、否と答えるわけもなく。
シュリは再び口を開いて可愛らしい声を響かせる。ミフィー、と。
「あーん。なんて可愛いのっ!!」
そのあまりの可愛らしさにミフィーは悶絶して、絶叫する。
そして、思わず浴室に向かって叫んだ。
「ジュディス、すごいの。大ニュースよ」
「どうしたの?ミフィー?」
浴室のドアの向こうから、ジュディスの声が答える。
「シュリが、シュリがしゃべったの。私の名前を呼んだのよ!!」
「な、なんですって!!」
そんな声と共に、浴室のドアが勢いよく開いた。
そこから現れたのは、まだ濡れ髪の、おおきな布を身体に巻いたジュディス。
彼女はその格好のまま、すごい勢いでミフィーとシュリの元に近づいてきた。
「シュ、シュ、シュ、シュリ君があなたの名前を呼んだって!?」
鼻息荒く迫るジュディスに、
「そうなの!すっごく可愛い声で」
「そ、そんなに可愛い声で?」
ミフィーも興奮さめやらぬ様子で答える。
その嬉しそうな、誇らしげな様子がなんとも羨ましく、ジュディスは訴えるようにシュリを見た。
「わ、私の名前も呼んでくれないかしら……」
「どうかなぁ。でも、シュリならいけるかも!!」
そんな根拠のない自信と共に、ミフィーはシュリの顔をのぞき込む。
「シュリ?ジュディスの名前も呼んでみて?母様の名前も呼べたんだから、ジュディスの名前も言えるよね?ジュディスよ、ジュディス」
母の言葉を聞いてから、シュリはジュディスの顔を見上げた。
期待に満ちた表情で待つジュディスは何とも可愛かった。
なので、頑張ってみようと口を開く。ミフィーの名前に比べると文字数が多く、難易度は高いが何とかなるだろう。
「じゅです」
あ、ちょっと失敗した。シュリは小さな下で唇を舐めてから、再びチャレンジしてみる。
「じゅ、じゅでぃー・・・・・・」
「が、頑張れっ、シュリ」
「じゅー、じゅでぃしゅ?」
「も、もう一息!!」
ミフィーが熱く応援してくれる。もうちょっとでいけそうだと、シュリは気合を入れて、きりりとジュディスの顔を見上げた。
「ジュディス!」
今度は上手に呼ぶことが出来た。
嬉しくなってにこっと笑うと、ジュディスの腕にさらわれた。ミフィーの腕の中から引っこ抜かれるように。
っていうか、ミフィーもジュディスも、赤ん坊の扱いがちょっと雑なんじゃないかと思う。
普通の赤ちゃんなら泣いてるよ、これーなんて思いながら、シュリはジュディスの豊満な胸の谷間に収まる。
ふわふわの双球に包まれる感触は何とも心地がよい。
彼女は感極まって、ぷるぷる震えていた。
ちょっと内股になって、なんだか足もがくがくしてる。
名前を呼ばれたことが嬉しすぎて、軽くイってしまったのかもしれない。
ちらりと横目で見ると、彼女の立派な双球の先っちょがつんと尖って布地を押し上げているのが分かった。
(は、発情状態にだけはならないでよ~?)
昨日のことを思い出しつつ、祈るようにそう思いながらステータスをチェック。
幸い、状態異常は発動していない。
が、なぜか充足度がアップしてた。30%から35%に。
もしかして今ので上がったのかな?と思いつつ、ジュディスのおっぱいクッションを堪能していると、
「ミフィー、シュリ君を返すわね。こんなに小さいのに、本当にすごいわ」
声だけは平静にミフィーに話しかけ、まだぷるぷるしている腕でミフィーへとシュリを差し出した。
鈍感なのか大らかなのか、ミフィーはジュディスの様子に気づいていないようだ。にっこり微笑んでシュリを受け取る。
「じゃ、じゃあ、私は着替えてから朝食の準備をしてくるわ」
ジュディスはそう言うと、そそくさと再び浴室のドアの向こうへと消えた。
その姿が消えると同時に、念話が飛んでくる。
(シュリ君?)
(どうしたの?ジュディス)
(あの、昨日みたいに自分の手をシュリ君の手の代わりにしたいんだけど、いい?)
何をいうのかと思えば、自慰行為の許可を得たかったようだ。
さっき、中途半端にイってしまって火がついてしまったらしい。
(いいよ。僕の手で、いっぱい自分をイジメてごらん?僕にされてると思いながら)
微笑み、許可を与える。変に我慢させて、発情状態にでもなられたら大変だ。
ジュディスにはひとりエッチに慣れておいて貰わなくてはならない。
なにしろ、シュリ以外の人が相手では発散されないのだ。
シュリが相手を出来ないときは、自分でして貰うほかないだろう。
ジュディスは早速自分で自分を慰め始めたようだ。
時々、気持ちよさそうな思念が飛んでくる。
その思念を感じながら、シュリはシュリでミフィーの乳首に吸い付いて、一足先の朝食を楽しむ。
頭に響くジュディスの嬌声に煽られて、ついつい不要な舌使いをしてしまい、ミフィーから熱っぽい眼差しを向けられる羽目になったのは少々失敗だった。
母親らしからぬ瞳でミフィーから見つめられ、内心冷や汗を流すシュリなのだった。
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