第28話 2016/06/27 に見た夢 マンガの学校
こんな夢をみた。
俺は漫画家を養成する専門学校に通っている。
クラスには同じく漫画家を目指している若者達が30人ほどいて、熱心に講師の話を聞いていた。
今日は構図とコマ割の授業をしているから、俺の手元には自分で描いたマンガの原稿が広げられていた。
ペン入れはしておらず、鉛筆で書いた下書きで、絵のタッチは「くまみこ」の吉元ますめに似ている気がする。
中学生くらいの女の子が何かを叫んでいるカット。
何かを言われて驚いているカット。
困り果てて、今にも泣きそうなカット。
全てバストアップの絵ばかりで、まるで「BE-BOP-HIGHSCHOOL」みたいなコマ割。
自分で読んでても、単調に見えてしまう。
「鰤鰤さん、今日の課題はどんな感じになりました?」
隣の席に座る篠崎マリちゃん(20)が私の原稿を覗き込む。
「描いた事は描いたけど、だめだね、全く面白くない。マリちゃんはどう?」
原哲夫によく似たタッチで描くマリちゃんのマンガは、絵が濃い割に内容が薄い。
「お題が、怒りと花ですよ。意味がわからないモノになって当然です」
そう言って渡してくれた彼女の描いた漫画を読むと、原哲夫タッチの美人姉妹が親から受け継ぐ事になった花屋を巡って骨肉の争いを繰り広げるという昭和の感じがする内容だった。
「話は少年誌向きじゃないけど、絵は相変わらず上手いよね」
「でも、少年ジャンプとかマガジンじゃなくて、パンチとかゴラクじゃないと採用されそうにないんですけど」
「まぁ、俺もフラッパーとかビームかな?」
「フラッパーはともかく、ビームなんてちょっと通ぽくていいじゃないですか。パンチとかゴラクとか40過ぎたおじさんしか読んでないぽいですよ」
「なにげにディスってるけど、それぞれの雑誌にはそれぞれの雑誌を支えるくらいに人気のあるマンガがあるもので、フラッパーには『ひめみこ』、ゴラクには『クロコーチ』、少年マガジンにも『はじめの一歩』があるじゃない。そんなマンガを描ければいいと思うよ」
そんな話をマリちゃんとしているうちに、構図とコマ割の授業は終わり、次の授業はデザインの授業である。
マンガの専門学校であるのに、何故デザインの授業があるかと言えば、保険である。
マンガの専門学校を出たところで、漫画家になれると言う保証があるわけではない。
それなのに親が馬鹿高い入学金と授業料を払わせるというのには、学校側も負い目があるらしく、その為に漫画家になれない場合が圧倒的に多数であるという現実を考慮して、デザインの授業や、DTPの授業もあるのであった。
就職率98パーセントという学校の入学案内に書かれている様に、この専門学校は就職にも有利になるような授業を取り入れているのである。
ただ、98パーセントと言う数字は、在学中に漫画家になる事が出来ず、就職も決まらない生徒を派遣会社に登録させる事で達成されているという事は明記しておく必要がある。
それでも2パーセントの人間が漫画家にもなれず、就職も決まらず、派遣会社にも登録しないと言う事に驚きを感じるのだ。
なんの為に専門学校まで高い金を払って行ったのかと。
デザインの授業はポスターの作り方だった。
・ポスターの役割
・ポスターに入れるべき情報
・メインタイトル(イベント名・商品名など)
・コピー(テーマ・煽り・キャッチー・サブタイトル)
・料金
・日にち(開催機関)
・時間 (開始時刻・終了時刻・公演時間)
・協賛・後援・主催者
・場所
・地図
・イメージ(写真・イラスト)
・構図 黄金律
・配色
・カラーか、モノクロか、特色か
こんな事がホワイトボードに書かれていて、講師が説明している。
マリちゃんは講師の話を聞きながら、パソコンでイラストレーターというソフトを使いながら、ポスターを作っていく。
「第27回 漫画家養成コース大宴会」
そう言えば、彼女は次の飲み会の幹事だと思い出した。
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