イルミナティカード

nagisariku

第1話 謎のカード


優しい声が聞こえた

いつも聞くこの声

この声で僕は目が覚める


『楓、おはよう』


僕の目の前にいる少女は、僕の妹の楓だ。いつも通り朝食を作ってくれて、僕を起こしてくれる。


楓『春兄、早くご飯食べてよ。私も学校行かないといけないから。』


春『そっか、楓はもうすぐ大会だから、朝練があるのか』


楓『今度こそ、那月に勝ってやるんだから!』


春『那月というのは僕たちの幼馴染みで、僕と同じ年齢の高校2年生だ』


楓は僕達より年齢が1つ下だが、大人びている。

家事料理、勉強、運動なんでもできる。

唯一の欠点は...


ねえ!

春兄!


楓『春兄ってば!また一人で考え事?』


春『あ、ああごめん。』


楓『また何か考えてたの?』


春『楓に感謝してるってことだよ』


楓『もう...あ、なんか春兄相手に封筒が来てたよ』


春『僕に封筒?』


楓『これだよ』


その封筒にはどこから送られてきたのかが書かれていなくて、切ってもなく、僕の名前だけが書かれていた。


春『開けて大丈夫なのかなぁ...』


楓『警察に届けようよ』


春『いや、そこまで大事にしなくて大丈夫だと思うよ。それより、楓時間!』


楓『あ、やばい!春兄早く食べて皿洗っていて!』


こうして、楓は学校に行った。


春『朝から騒がしいなぁ』


僕は楓が行った後、封筒を開けた。

その中身は...


1枚のカードがあった。


春『カード?しかも、何の絵だこれ』


絵はナイフを持っている覆面の男と、怖がる少女の絵だった。


春『なんだよこれ...意味がわからない。』


僕はそのことを考えるのをやめた。


そして、僕は学校に向かった。


『よお、春。』


春『おはよ、里矢』


僕に挨拶してきたのは里矢。

僕の友達で、いい奴だ。


里矢『今日さ、変なカードが送られてきたんだよ』


春『え⁉︎お、俺もだけど』


『あなたたち、私もよ』


春『あ、おはよ那月』


那月『それ、私もなのよ』


春『那月、そういえば朝練は?』


那月『朝練?今日は朝練ない日よ』


春『えっ?なんで』


那月『なんでって、昨日先生がないって言ったから』


里矢『それよりさ、俺のカードの絵がさ、男が覆面の男にナイフで刺されている絵だったんだよ』


那月『私は、女の人が、死んでいる絵だったわ』


春『あ、あの...二人とも』


那月『どうしたの春』


春『今日さ、楓が朝練あるから朝早く家出たんだけど』


里矢『うーん、楓ちゃんしっかり者だから今日も朝練あると思って、行ったんじゃない?』


キンコンカンコン


那月『あ、授業が始まる!』


春『次の休み時間、楓がいるかどうかクラスに行ってみるよ』



『え?楓ですか?今日休みじゃないんですか?』


春『あ、ありがとうね、教えてくれてありがとう』


『い、いえ...楓ちゃんによろしくお願いします』


楓が学校にきていない...


『あの、春君』


春『あ、笠原先生』


笠原『今日楓ちゃんがいないけど、どうしたの?』


笠原先生は美人で若い先生だ。一部の男子生徒にも人気があるくらい


春『あ、えーと...体調不良です。』


笠原『そうなんですか、あ、お見舞い物としてこれ渡してあげてください』


春『なんですかこれ?』


笠原『楓ちゃんのミニハサミよ。借りてたの忘れちゃってて』


春『はい、楓にちゃんと渡します。』


笠原『それじゃあね』


春『あ、待ってください。楓の部活の顧問の橘先生は今どこにいるかわかりますか?』


笠原『橘先生は今日休みよ。』


春『えっ、そうなんですか。わかりました。ありがとうございます』


笠原『春君も、楓ちゃんと同じで礼儀いいわね』それじゃあね』


楓と楓所属のバドミ部の顧問がいないのか。

楓が学校をサボるなんて事はしないはずだし...


里矢『おい、春』


那月『春ー』


春『何?』


里矢『橘先生きてないってよ』


春『しってる。楓も学校にきていない』


那月『えっ...楓ちゃんが⁉︎』


里矢『声大きい!』


春『先生に頼んで、早退して楓探しに行くようにするよ』


里矢『そういうことなら、俺たちも手伝うぜ』


那月『そうよ、私達にも手伝いさせなさい』


こうして俺達は楓を探しに行った。


里矢『そうだ、GPS使おうぜ』


春『その手があったね。えーと...え⁉︎学校の第3体育倉庫⁉︎』


里矢『あそこって、もう物とかないから誰も行かないはずなのに』


那月『とりあえず、早く行きましょ』


春『楓!』


僕は第3体育倉庫を思いっきり開けた。

そこには、手足を縛られた楓と、楓に近づくナイフを持った覆面の男がいた。

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