第38話 原因、起因の究明
「お久しぶりです、というほどではないです
ね。」
綾野祐介とマーク=シュリュズベリィが岡
本浩太を訪ねてきた。
「マークさんははじめまして、ですね。岡本
浩太です。」
「はじめまして。君のことは綾野先生から詳
しく聞いている。今後も色々と協力してほし
い。」
「人類の未来のために、ということなら大歓
迎です。」
アーカム財団とマークとは現在良好な関係
にない。アンドリュー=フェランが極東支部
長を務めていたときはマークと行動を共にし
ていたのだが、その後両者の間には溝ができ
てしまっていた。アンドリューは既に故人に
なっている。
「いずれ、君や綾野先生ともそのあたりの話
をしたいとは思っている。ただ、今はこの件
の解決が最優先だと思う。」
「そうですね。それで、お二人がここを訪ね
て来られた理由は?」
「それはまだ私にも話してもらっていないん
だ。マーク、そろそろいいんじゃないのか?」
「そうですね。その前に桂田利明さんの行方
は掴めましたか?」
「杉江を通じて枷村って桂田の友人に探して
もらっているのですが、今のところは。」
「そうですか。取り急ぎ、彼の行方を突き止
めることが急務ですね。」
「結局そうなのか。」
「そうです。」
それから、マークはモノリスに書かれてい
た事の次第を話し始めた。旧神の予言にあっ
たらしい。
内容を聞き終えたとき、不意に浩太の携帯
に着信があった。杉江だ。
「えっ。本当か。判った。場所を送ってくれ
たらこちらで対応するよ。今ちょうど綾野先
生が来ているから一緒に行ってみる。」
「桂田の行方が判ったのか?」
「そうみたいです。神戸で一人でいるそうで
す。そして、そこに外国人の女の人が訪ねて
来ていたそうです。」
「なるほど。完全に繋がりましたね。」
「早速、今から向かおう。」
三人は杉江から転送された桂田の住所に向
かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます