プロクラトル
たくち
プロローグ
「ねぇまたあのお話ししてよ!」
子供たちが一人の老婆に集まっている。昼過ぎになるといつもこうだ。
「そうだねぇ、どこから聞きたいかい?」
燃えるような深紅の髪の老婆が聞く
子供たちが聞きたいのは一番人気のおとぎ話【漆黒の旅人】の物語だ。500年前吟遊詩人たちが退屈しのぎのために作ったとされるその物語は今も語り継がれている。ある者は憧れを、ある者は戯言だとしている物語。しかしその存在を証明する物はなく多くの歴史家はその存在を否定している。
「最初から聞きたい!」
「この前最初の方は聞いたでしょ!」
「でもシンは聞いてないんだって」
「そうなの?」
「うん、聞いてないよ」
「君はシンって言うのかい?」
シンと呼ばれた少年に老婆は尋ねる。
「そうだよ!」
「なら特別に最初から話そうかね、長くなるよ、いいかい?」
「うん!お願い!」
「じゃあ始めるよ、始まりの出会いから話そうか」
それでも老婆は知っている。【漆黒の旅人】は確かに存在したことを
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「次は砂の世界か、暑いのは嫌いなんだよな」
一面に広がる砂と岩だらけの世界で少し目つきの悪い黒髪の青年がめんどくさそうにつぶやいていた。
ここは7つの世界の内の一つ【砂の世界デゼルト】である。
地の神ミアリスが作り出した世界はほとんどが砂漠地帯になっていてそこに住む者は数少ないオアシスの近くに都市を作り生活している。
「君が嫌いな所から終わらせると言ったからここに来たんじゃないか、僕は別でもよかったんだからね!」
黒髪の少年の近くにいつの間にか現れた無邪気そうな少女が答える。
その少女は砂に囲まれた世界ではあまりにも異質な存在だ。見た目では16か17歳くらいだろうか、真っ白の髪に透き通るような白い肌を持つその少女は人とは違う雰囲気をしてる
というか人じゃないこいつは神だ。こいつなんて言ってしまっているがこの神には出会った時に力をもらい助けてもらっている、剣や魔法やらがあるこの世界ではこの神がくれた力がないと生きてはいけない
だから命の恩人というやつだ、いや人じゃなくて神だから恩神か?まあそんな下らない事は置いといて、こいつには感謝している。
「まあ、とりあえずは最初の一つを手に入れようじゃないか、僕には君しかいないからね期待してるよ!」
「わかってるよ、まず街を目指すからそれまで休んでなよ」
「そうさせてもらうよ、なかなか疲れたからね」
すると神と呼ばれた少女は姿を消す
「ふぅ、街はどこにあんのかな?適当にあるいてみるか、何とかなんだろ」
青年は歩き出す。
黒髪の青年代行者シンとのその神ノアの目的を果たすために
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