第10話
疼くんだ
※軽く下品
僕の息子が、疼く。
ずっと片想いしていた幼馴染みと、この間やっと心が通じ合った。その日から毎日の様に抱かれるのに対し、だいぶ疲れを感じている。
精液も薄くなっていて、正直セックスは1週間ほど休みたいというくらいなのに、何故か、僕の息子が疼くのだ。
もしかして、1年も息子しか使っていなかったから、穴に入れたがっているのだろうか?
そう考えた僕は、そこらにいた生徒に適当に声をかけた。
「ねえ君、入れさせてくれない?」
僕がこう言えば、可愛いやつもかっこいいやつもゴツいやつもヒョロいやつも、みんながみんな股を開いた。
なのに、いざ入れようとすると、急激に元気を失くす僕の息子。
どういうことなんだ。
彼氏にも入れさせてほしいと言ってみたが、全力で逃げられた。変わりに僕がいつもよりねちねち抱かれてしまったので、もう彼氏には一生頼むまい。
日に日に疼きは増す一方で、僕はイライラしていた。彼氏に呼び出されても、応えないことが多くなった。
いざ入れるとなると、どうして勃たないんだ。あいつの時は、いつも絶好調だったのに。
そこまで考えて、はっとする。そうだ、あいつに入れさせてもらえばいいのだ。あいつとはメールで一方的に別れてから会っていないから、かれこれ2ヶ月振りだろうか?
近頃下がりっぱなしだった気分が、何故か急激に上がってきた。よし、そうとなれば早速メール…、いや待てよ。連絡せずいきなり教室まで押しかけて、びっくりさせてやろう。そうだ、それがいい。
あいつのクラスはたしか2-Cだったから、ここであっているはずだ。
後ろのドアのガラス部分からこっそり中を覗くと、2ヶ月ぶりのあいつがそこにいた。
あいつの顔を見た瞬間、さらに気分が上昇するのを感じた。ふん、相変わらずどこにでもいそうな普通の顔だな、あいつは。
いざドアを開けようと手を掛けた瞬間、クラスメイトだろうか、1人の男があいつの肩に手を回した。
上がり続けていた気分が、急激に萎えていくのを感じた。
男と密着して笑顔を見せるあいつに、激しい怒りが湧き上がってくる。
僕が折角誘いに来てやったのに他の男に媚びを売っているから、だからこんなにムカつくんだろう。
密着する2人を睨みつけていたら、ふいにあいつがこちらを見て僕に気付いた。
目を見開いてぽかんとしている顔が、なんだか可愛い。
…いやまて、可愛いってなんだ、あいつが可愛いわけが無いだろう。
あいつの視線に釣られたようにクラスの奴らの目が僕に向く。途端に教室がざわざわし始めた。ドアを開けて僕に群がってくる奴らを適当にあしらい、人混みで見えなくなったあいつを必死に視界に入れる。
あいつは、もう僕の方を見てはいなかった。さっきの男と、楽しそうに談笑している。
僕など、存在していないかのように。
「由木!!」
思わず叫んでいたあいつの名前。勢いよくこちらを見るあいつに、体が熱くなる。
ああ、やばい、完勃ちだ。
end.
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