第4話 九条、ホームセンターで武器探しをする
俺とコアはダンジョン攻略の準備の為、一旦家に戻ることにした。
意外だったのはコアはダンジョンを離れても問題ないとのことで今は家で留守番をしてもらっている。
コア曰く
『ダンジョンを抑える為にずっとは離れることはできませんが数日は問題ないです。』
とのこと。なのでコアを台座の上に置いておくのは可哀想なので俺の部屋に置いておくことにした。
今はのんびりと転がっていることだろう。
その間に俺はというとダンジョン攻略の為に準備をすることにしたわけだ。
具体的には武器といったらホームセンターだろうとホームセンターに向かっているわけで。
「さて、と。何がいいかな。」
近所の比較的大きなホームセンターに到着し武器になるものを探す。
ゾンビ物とかなら鉄パイプやバールなんだろうけど現実に振り回して戦うとなると少し不安が残るのでいろいろ見て回ろうと思う。
日曜大工コーナーを見て回る。
そこにはお父さんが休日に手作りできるよう様々な大工用品が置いてある。
のこぎりや金づちといったものからチェーンソーなどもあり様々だ。
この中で武器になりそうなものを探してみるとそれなりに見つかった。
まずは定番でスコップ。別名剣先スコップとも呼ばれた世界大戦でも使われたという安定の武器だ。
戦場に使う場合、飛び交う銃弾や砲爆弾の破片から生身の兵士が命を守るための塹壕を掘る道具として、必需品となった。ときには白兵戦の際の打突武器としても有用であるようで、そこそこ長い為リーチもあり、さじ部が金属製で盾としても使え、片手でも両手でも扱えるため、各国の軍隊は有事の白兵戦においてシャベルをも武器として扱えるように教練していることが多い。
事実、第二次世界大戦の時ソビエト軍兵士ともスコップを白兵武器として使い、現代のロシア軍スペツナズもショベルを使う戦闘技術を訓練している。らしい。
らしいというのはここに来るまでにネットで調べたことだから詳しくは知らん。
なんでもソビエト軍にはスコップと迫撃砲を合体させた37mm軽迫撃砲なんてとんでも兵器もあるくらいだからそれだけ有用な武器ということなんだろうな。
ちなみにスコップとシャベルの違いは日本のJIS規格では足をかける部分があるものをショベル、無い物をスコップと言うらしい。どうでもいいな。
スコップを手に取ってみると意外とずっしりくる。
スコップなんて使ったのは学生時代以来なので少し懐かしかったりする。
「ふむ。」
人目があるので振り回すのはためらわれたので軽く振ってみるだけに留めてみたが、確かに武器としては使うことはできるかもしれないがあくまで家庭用なので強度に不安が残る…か。
とりあえず候補として考えておくくらいでいいだろう。
次は鎌や斧などの斬撃系の武器を見てみる。
まず鎌は園芸用としての草刈鎌ばかりで様々な長さのものがあるがやはりこれも強度に不安が残る。
鎌は古くは農民の道具として不可欠であり支配者が所持を禁ずることが出来ないため、洋の東西を問わず農民の反乱・一揆などで刀剣を持たない農民が臨時の武器として用いた。とは言ってもそれはサイズというような大鎌の部類がほとんどで少なくとも園芸用で再現するのは無理があるので却下だ。
続いて斧のコーナーを見てみる。
斧も民芸用なのでリーチが短く片手斧ばかりでこれでも戦闘はできるがさすがに距離が近すぎると怖いのでこれも買うのは止めた。
同様の理由でバールも却下。あんなのはただ重いだけだ。
大工用品コーナーを見渡しながら物色を探す。
他にもハンマーなどの打撃武器もあったが重くて振り回したところで隙だらけになりそうなので止めた。
「とりあえずこれ買っとくか。」
最終的に選んだのは山で枝葉を斬る為の鉈または山刀と呼ばれるものにした。
こちらもリーチは短いが鞘もあり持ち運びも簡単なのでサブウエポンとして選ぶことにした。
他にも役立ちそうなものをいくつか購入してホームセンターを出る。
結局武器は山刀だけだって?
ふふん。いわばここは保険の為に寄っただけ。
次の場所が本命だ。
俺は目的地を目指して電車に揺られ本命の店に向かうことにした。
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