第51話 大学3年生 夏休み合宿4

――合宿2日目

 俺たちは河津町の今井浜海水浴場に向かった。


 車に分乗して向かったんだが、朝から女性陣が俺を見る目が違う。

 いったい何だろうと思って春香にこっそりきいてみたが、春香はただあいまいに微笑むだけだった。


「ま、いいか」

 よくわからないが、気にしても仕方がないだろう。


 車を有料駐車場に停める。そろそろ混み始める時間のようで、次々に車が入ってくる。

「じゃ、武士くんはクーラーボックス、勇輝くんはそっちのカゴを頼む」

 みんなで荷物を手分けして持っていくことにした。


 よく晴れた青空に、穏やかな波。……かつて春香の家族と一緒に行った海水浴を思い出すな。

 隣を歩く春香を見ると、あの高校一年生の頃から随分と大人になったなあと思う。春香も懐かしそうに目を細めると、俺を向いてにっこりと笑った。

「……あの夏の海水浴を思い出すね」

「ああ」

 そっと荷物を持った俺の手に春香の手が添えられる。


 どうやら先に久美子さんたちが砂浜に出てレジャーシートを敷いているようだ。

 希美ちゃんが俺たちを見つけて、「こっち、こっち」と言いながら手を振っている。

 春香が手を降りかえし、「さっ、行こう!」と俺たちの先を進んでいく。


 シートの脇では晃くんが小さなスコップを手に、パラソルを立てるための穴を開けている。

 俺たちはその隣にワンタッチの海水浴用のテントを立てた。それぞれのシートの上に荷物を置いて重しにする。

 ひととおりの準備が終わったところで、久美子さんが、

「よしっ、じゃあ交替で着替えに行こう!」

と言って自分の着替えの入ったトートバッグを肩にかけた。

 最初に着替えに行くのは男子組、後が女子組となった。俺たちはシャワースペースの近くに設置された着替えブースに向かう。

 さっそく中に入ってぱぱっと着替える。


 今日の水着は春香と選んだやつで、オレンジとグレーをベースにしたボックスタイプだ。

 俺がブースから出ると、まだ他の男子連中はまだ着替え中のようだ。……あいつら男のくせに何を時間かけているんだ?

「先に戻ってるぞ!」

 外からブースに声を掛けて、俺はシートのある場所へと戻る。


「おおっと、夏樹くんは思ったよりいい身体してるね。細マッチョっていうの?」

 シートに戻るといきなり久美子さんがそんなことを言う。

「そ、そうかな? ありがとう。ははは」

と誤魔化すと、春香が笑顔で俺の脇をつねった。「へらへらしない」

「悪かったって」

と言いながら、「ここにいるから、みんなも着替えてきたら?」と言うと、久美子さんが、

「うっし。じゃ、ここは夏樹くんに任せて着替えにいこう。……ふふふ。夏樹くん。私たちの水着姿に見とれて、可愛い奥様に叱られないようにね?」

と俺に笑ってみんなを引き連れていった。

 その後ろ姿を見ながら、

「大丈夫ですよ。俺はいつも春香しか見てないから」

と言ってやった。


 しばらくすると男たちが帰ってきた。

「あれ? 先輩たちは?」

ときく武士くんに着替えに行ってると答えると、なぜかそわそわし始めた。

 ……もしかして久美子さんにれてるのかな?


 武士くんと勇輝くんはサーフパンツ。晃くんは黒のビキニパンツ(ブーメランパンツ)。

 ……確かに晃くんは無駄に引き締まっているからよく似合っている。


 どことなくそわそわしている男性陣を見ながら、俺は、

「みんなはアタックしたい人がいるの?」

と尋ねてみた。

 一瞬、ピクッとなったものの、こっそり話を聞いてみると、どうやら武士くんが久美子さん、勇輝くんはバイト先の女の子、晃くんはいないらしい。

 ……そっか、久美子さんはかざらない性格だから惚れるのもわかる。


 その時、背中から、

「で、男連中が何をこそこそ話してるのかな?」

と京子さんの声が聞こえてきた。

 みんなあわててばっと振り向くと、そこには水着に着替えた女性陣がいた。

「おお~!」と勇輝くんが言うが、武士くんは目を見張ってしゃべることができなかった。


 確かに、久美子さんは青を基調とした三角ビキニでどこか挑発的で色っぽい。こうしてみると胸もそれなりにあるね。

 京子さんは黒のモノキニで大人っぽい雰囲気。

 その隣の春香はひまわり柄のホルターネックのビキニの上からピンクの花柄のラッシュガード。

 希美ちゃんはボーダーのパンツタイプのビキニだ。


 俺はニヤリと笑って、

「なんだ。久美子さんも京子さんもすっごく色っぽいな。……希美ちゃんも可愛らしいし」

というと、久美子さんが笑みを浮かべ、

「ふっふっふっ。れてもいいのだよ?」

 すると春香が即座に、

「だめだめ! 惚れちゃだめ!」

と俺と久美子さんの間に入ってきた。


 俺は笑いながら、春香の腕を取って引っ張ると、春香は「きゃん」といいながら、イスに座っている俺の膝の上にポスンと座った。

 耳元で、「もちろん春香が一番さ」と言うと、みんなに見られることもあって、春香はたちまち真っ赤になって立ち上がった。


「も、もう。夏樹ったら!」

と言いながら少し距離を取ると、京子さんがため息をついて、

「なにこのラブラブ空間。……でも夏樹くんなら許す」

とつぶやいた。

 う~む。やはりちょっと俺に対する見方が昨日とは違う気がする。


 俺は横目で男連中を確認すると、武士は少し赤くなりながら久美子さんをチラチラと見ている。勇輝くんも晃くんも女子軍団をチラ見しているようだ。

 もちろんチラ見は女子全員が気づいているよ。


 久美子さんが、

「まったく夏樹くんと春香は変わらないね。……うらやましい」

と苦笑した。


 さて、それから日焼け止めオイルを全身に塗り、俺たちはさっそく砂浜でビニールのボールでバレーのパスをすることにした。


 輪になって、久美子さんがボールをポーンとサーブすると、そのボールは対面にいた晃くんに飛んでいく。

「ふっ」と笑いながら晃くんが格好つけてそれをレシーブすると、上に上がったボールは俺のところへ。

 それを向かいの希美ちゃんにトスすると、希美ちゃんもそれをトスした。

 高く上がったボールは武士くんのところへ飛んでいく。武士くんはサーブするように下手から右手でボールを打つと、ボールは春香の所へ飛んでいった。

「えいっ」

と言う声でトスされたボールは俺の所へ。次に久美子さんの方へといったボールめがけて、

「とうっ」

と久美子さんが強く打ち返した。

 ボールは俺の頭上を飛び越えて海の方へと飛んでいく。


 俺は反射的に海にバシャバシャと入り込み、落ちてくるボールめがけて飛び込んだ。

 手にボールが当たる感触がして海から頭を出すと、うまく砂浜側に打ち返せたが距離が足りない。


 しかし、俺の後を春香が突っ込んできて、両手を組んで「えいっ」とレシーブした。ボールは春香の背後へと飛んでいき、みんなの輪の中へと届いた。


 春香はそのまま海に転がって、一気に全身が濡れている。俺はゆっくりと春香に近づいて、手を引っ張って助け起こした。

「ナイスアシスト。春香」

と言うと、にっこり笑って、

「夏樹こそ。ナイスレシーブ!」

と俺の手をぎゅっと握った。


――――。

 お昼に海の家からテイクアウトのカレーなどを買って、みんなで海を見ながら食事にした。


 海を渡る風が、海辺の喧噪けんそうを乗せて吹いてくる。

 俺と春香は並んでレジャーシートに座ってカレーを食べている。他の女性陣はイスに座り、男性陣は別のレジャーシートだ。


 春香が吹いてくる風に気持ちよさそうにしながら、

「あ~。合宿、来て良かった。……久しぶりの海にも来れたし」

「本当だな。久美子さんやみんなに感謝するよ」

 京子さんが不思議そうに、

「あら? 二人っきりでデートとか、ドライブとかしないの?」

と首をかしげる。俺は、

「それは行ってるけど、海は……ちょっと理由があってね」

 すると春香もうなづきながら、

「うん。……でも、今日、こうして来れたから、次からは二人でも来れるかな」


 実は、最後の海水浴が、春香のおじさん、いやお義父さんに連れていってもらった時なんだ。

 二人ともお義父さんが亡くなって、あの時の楽しかったことを思い出しちゃって、なんとなく海には足が向かなかった。

 それも春香の表情を見る限りではもう大丈夫そうだ。思い出に変えていけるだろう。

 ……これも誘ってくれた久美子さんに感謝だな。


 その時、一人静かにタコライスを食べていた晃くんが、

「ば? ばかな? このタコライス。タコが入っていないだと?」

 ……いや、それはそういうものでしょ? タコライスのタコはタコスのタコなんだから。


 急に落ち込んだ晃くんに希美ちゃんが、

「っていうか。それ普通でしょ!」

と突っ込みをいれると、晃くんががばっと顔を上げて、

「そ、そうなのか? 俺、悪魔デビルの名を冠するタコデビルフィッシュが入っていると思ったから、これにしたんだけど……」


 希美ちゃんがあきれたように、

「そんなわけないじゃん。タコスのことよ?」

「ほ、本当か。むう。タコがないと俺のダークパワーが強くならないが……、旨いからいいか」

「晃って意外とおっちょこちょいよね。それにもうちょっと現実を見れば……、いい男なのに」

「ふん! 俺は俺をわかってくれる女性がいればそれでいいんだ!」

「え? そんな人いるの?」

「……いない。けれどきっと俺が来るのを待っているはずだ!」

 希美ちゃんは頭が痛そうに額に手をやりつつ、

「まったく。これがなければ……。イケメンなのに……」

 うん。まったく同意するね。


 二人の会話をほほ笑ましく見ていた京子さんが、

「午後はフリーにしましょうか? 片付けは3時半くらいを目処にして」

と久美子さんにきくと、焼きそばをほおばっていた久美子さんが、

「うん。いいんじゃないの? みんなもそれでいい?」

とみんなに尋ねた。

「了解」「わかった」「ええ」「「わかりました」」「はい」「了解です」


――――。

 お昼が終わって、俺は浮き輪を持った春香と一緒に、少し深いところまで行くことにした。


「ふふふ。あの夏の再現だね」

と春香は浮き輪で浮かびながら微笑んだ。

 足が着かなくなると、二人で一つの浮き輪につかまりながら、遊泳区域の境界にあるブイを目指す。

「ここまでは来なかったろ?」

「うう。夏樹。ちょっと怖いよ。どれだけ深いんだろ?」

 だんだんと遊泳区域の端に近づくにつれ、海水の温度が低くなっていき、足下に巨大な穴が開いているような感覚になる。

 どうやら春香はそれで怖くなってきたようだ。


「ブイのところで5メートルくらいあるんじゃないかな」

「え? ちょっ、怖いよ。夏樹、ここらへんで戻ろうよ」

 春香はぐいっと浮き輪をしっかりと抱え込んだ。ちょっと顔がこわばっているようだ。

 俺は後ろから春香を抱えるようにして、浮き輪にうきわにつかまりながら、

「くすっ。そうだね。そろそろ浜の方へ戻ろっか」

と言うと、春香はうなづいた。


 確かにここまで深いところに来ると、周りにはボートに乗ったカップルとかくらいしか見当たらない。


「そういえば、あの夏はキスをしたんだっけ?」

とすっとぼけて言うと、春香はゆっくりと後ろを振り向いて唇を突き出す。

 笑いながらキスをして、二人で浜を見ながらバタ足で戻り始めた。


 思いのほか、浜辺の人々が小さく見える。一方で、浜辺であそぶ人たちの声が反響しながら聞こえてきていた。


「ね。今度はさ。ボートに乗ろうよ」

と、近くのバナナボートみたいのに乗っているカップルを見ながら、春香が小さい声でささやいた。

「来年はそうしよう。……それとダイビングのライセンスも取ろうよ」

「あ。いいね。それ。興味ある」

「だろ? もちろん海水浴場の遊泳区域内は潜れないけどさ。別世界だよ」

「うん。一緒にやろ」


 ま、ライセンスを取って何度か潜れば、水深10メートルってのがどんな世界かわかるし、まるで部屋の天井のような位置にある海面を見上げる感覚ってのも面白いからね。


 二人でのんびりと砂浜に戻りいったんレジャーシートの所に行くと、勇輝くんがあわてた様子で希美ちゃんに何かを言っていた。


「どうした?」

「あっ。夏樹先輩!」

 俺を見て顔を輝かせた勇輝くんは、

「久美子先輩が岩場で転んで怪我をしたんです!」

「えっ?」


 俺は岩場のある方を見る。久美子さんを武士くんが背負って、そのそばを京子さんが心配そうに見ながら、ここへ戻ってくるのが見えた。


「歩けないくらいか。……春香。車に行って救急箱を持ってきてくれ」

 そういって春香に車の鍵を渡すと、春香は「うん」と言って走って行った。


 海外出張する場合、日本国内のようにすぐに何でも揃うわけではない。そのため、ある程度の医療キットは持ち歩く必要がある。

 その記憶の影響で、俺は車の中に救急道具を持ち込んでいたのだ。


 武士くんたちが近くに来ると、久美子さんは汗をかきながらも顔を真っ赤にして背負われていた。


「久美子さん、大丈夫か?」

 背負われている久美子さんにきくと、痛みに耐えるように、

「ええ。右の足首をひどくひねっちゃったみたいで。左は大丈夫なんだけど」

「どれどれ……。れているな。よし。武士くん。ゆっくり下ろして。そうそう……、よっと」


 俺は武士くんにレジャーシートのそばに腰を下ろしてもらい、途中から京子さんと二人で久美子さんの脇の下に腕を通して体を支え、そのまま寝かせた。

 荷物を運ぶのに利用したカゴを立てて、怪我をしている脚のふくらはぎを載せる。

 炎症を起こした場合はじんじんと痛むはずだから、心臓より高いところに患部を置いてやらねばならない。


 そこへ春香が戻ってきた。俺は久美子さんの前にしゃがんで痛めたという右の足を見る。赤く腫れていて、ちょっと熱を持っているようだ。


 俺が少し持ち上げると、久美子さんが、

「つぅっ」

と小さくうめいた。俺は、「包帯」と言って右手を出すと春香がぽんと包帯を手渡してくれた。そのまま少しきつめに包帯を巻き、足首を固定する。

 救急箱からアイスバッグを取り出して叩いて凍らせる。それをガーゼで包んで患部に当てて動かないようにした。


 応急手当をしながら、

「武士くん。この近くの整形を聞いてきて」

と、心配そうにじっと見ていた武士くんに指示すると、「はい」と言ってすぐに走っていった。


 俺は、

「今日は引き上げよう。悪いけど、みんなは片付けを頼む」

と言うと、みんなは何も言わずに片付けを始めた。

 俺は久美子さんに、

「久美子さんはこのまま整形外科だ。水着の上からTシャツでもいいか?」

と言うと弱々しくうなづいたので、京子さんに任せた。

 武士くんが戻ってきたので、武士くんと京子さんに手伝ってもらいながら、久美子さんを俺の車に乗せた。

 久美子さんの車は他のメンバーを乗せて、春香に運転してもらい、先にヴィラに戻ってもらうことにした。


――――。

 整形外科病院に向かう車の中で、久美子さんが、

「あ~あ、やっちゃった」

とつぶやいた。俺は、

「ま、捻挫ねんざだな。しばらく安静にする必要があるね」

と告げた。久美子さんは俺に礼を言いつつ、少し照れながら、

「……武士もありがとう」

とかすれそうな声で言うと、武士くんが、

「先輩こそ。大丈夫ですか? 何でも言ってくださいよ」

と大きい声で返事をする。

 バックミラー越しに、京子さんが、おやっという表情を見せたのがわかった。

 どうやら武士くんが久美子さんを好きだとわかったようだ。


 病院でレントゲンを撮り、医師に診てもらう。介添かいぞえには武士くんに行ってもらった。

 俺は京子さんと待合室で二人を待つ。


 京子さんは、

「それにしても手慣れた応急処置ね」

「うん? ははは。まあね」

 笑って誤魔化しながら、俺は診察室の方を見た。


――――。

 白髪の医師がレントゲンを指さした。

「ええっと。骨には異常はない。捻挫だね。患部を固定して、2時間おきに20分くらい冷やし、動かさないこと」


 久美子は神妙にうなづく。

「はい」

 それを見た医師が微笑んで、

「ま、応急処置が良かったね。それでも少し炎症を起こしているから、それを抑える薬。それと夜に痛み出すかもしれないから、頓服とんぷくで痛み止めを出しておくよ」

といい、デスクに向かいなおるとカルテに何かを書き込んでいく。

「はい。ありがとうございます」

 武士は久美子に肩を貸しながら、医師におじぎをし診察室を出た。


――――。

 その日の夜。

 俺はふと喉が渇いて、水を飲もうと廊下に出た。


「うん? 京――」

 そこには階段のそばでしゃがんで下の様子をうかがう京子さんと春香、希美ちゃんがいた。

 京子さんは俺を見て、口に人差し指を添えた。春香が下を指さしている。


「うん?」

 俺も隣にしゃがんで下をのぞいた。


 そこにはソファに座る久美子さんと、武士くんがいた。



「……久美子先輩。本当に大丈夫なんですか?」

「大丈夫だって。ただ、明日は春香ちゃんに運転してもらわないといけなくなっちゃったね」

「もう。気をつけてくださいよ」

「ふふふ。ごめんごめん。……それにしてもさ。武士って意外と力持ちなんだね」


 そういう久美子さんは背負われたことを思い出したようで、少し頬が赤らんで恥ずかしそうだ。

 武士くんも真っ赤になっている。ちらちらと久美子さんを見つめている。


 一呼吸置いて、ぎゅっと拳を握りしめたかと思うと、ばっと顔を上げ、

「久美子先輩! 俺! 先輩のことが「だめっ」……えっ」


 大事な告白の瞬間をさえぎられた武士くんがおろおろとしている。


 途中でさえぎった久美子さんが笑いながら、

「見直したけど、それはまだ早いかな。……でも、今度、デートしてあげるよ」

「は、はい!」

「……私が欲しければ、もっと惚れさせてね」

 そういって、クスクスと可愛らしく笑う久美子さんは、幸せそうだった。



 それを見ていた京子さんが、「……まったく素直じゃないんだから」とつぶやく。

 同じく希美ちゃんが「ま、二人ともこじらせてますからね」と冷静に評価すると、春香が、

「でもよかったよ。第一歩を踏み出せたってことよね」

と微笑んだ。


 京子さんが「はあ~。じゃ、久美子を迎えに行ってくるから、みんな解散ね」と言って立ち上がると、春香と希美ちゃんは俺に手を振ってから自分たちの部屋へと戻っていった。


 う~ん。水が飲みたかったんだが、行ける雰囲気じゃないね。

 俺はきびすを返して、おとなしく自分の部屋に戻ったのだった。

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