絢爛とした孤独

世界の独房

第1話

夜に着いた。

初めて見た町。

まだ23時なのに、人はいない。

センター街と思われる場所は、白熱灯が明るく居酒屋の入り口を照らす。

人のいない町で、一昔前でもない、微妙な古さのニュアンスを持った曲が鳴り響く。

白々しく、可愛さを意識したモニュメント。

明るいのに、自分の足音しかしない。

渡る者のない信号が虚しく停止を促す。

盲目用の音が啼いている。

胸を締め付けられるような。

ここはこの県の都市部だと、無闇に主張する明るさと、静けさの乖離が、絢爛たる孤独を生み出す。

そんな街で過去に自分は死んだ事がある。 

幻想を視た。

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絢爛とした孤独 世界の独房 @foolout

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