◆Middle04◆潜入、ブリオッシュ

 高級料亭ブリオッシュは、王都ログレスの王城にほど近い閑静な通りの一画にあった。

 異国風の見慣れないシルエットの建物が、灯籠の明かりに映し出されている。

 玄関には警備員が立つ。料亭にふさわしくない者は決して通さぬ――とでもいうように。


GM:では、次のシーンです。高級料亭ブリオッシュが舞台です。

ポメ郎:場所が分かっているなら、先に忍び込んでおくのもあり?

ゼロ:それならば、私は寿司職人にでも変装して寿司を握っていましょうか(笑)。

GM:かまいませんよ。判定に成功すれば、演出の範囲ということで許可します。判定自体は変わりませんので、難易度15の【感知】判定になります。


 ……夜。

 魔法の明かりで彩られた大きな料亭は繁盛しているようだ。

 入る客、出て行く客、みな身なりがよい。


GM:着物の女将が「またおいでやす」とお見送りをしたりしています。

ラヴィニア:えらく和風な店ですわね(笑)。

GM:東方の料理が食えるということで有名でして。さて、この料亭の周りには、警備の傭兵が立っています。

ラヴィニア:あら、けっこう警備が厳重ですわね。

GM:魔法で明かりも灯されていますから、宵闇に紛れるのも難しい状況です。

ポメ郎:判定は全員成功する必要があるポメ?

GM:判定に成功した人だけが、料亭内に忍び込めるということにします。

ラヴィニア:失敗した場合は?

GM:警備員に追い回されて、退場させられます。ひとりだけでも成功すればいいわけです。

ラヴィニア:なるほど。

鉄也:(ダイスを振る)出目が3。失敗。

ゼロ:(ダイスを振る)うわっ、13で失敗! フェイトを1点使って振り直し。(ダイスを振

る)出目が5!? また失敗!

ラヴィニア:まったく、しょうがないですわね。ここは、わたくしがフェイトを1点使っておきましょう。(ダイスを振る)9。【感知】が5だから……達成値は、14。

GM:ラヴィニアも失敗しているじゃないですか!(笑)

ラヴィニア:フェイトをもう1点使うのは、ちょっと嫌ですわね……。

ポメ郎:ボクが《アンプロンプチュ》を使うポメ。(ダイスを振る)出目は9。30で成功。

ラヴィニア:ポメ郎ならばやってくれると信じていましたわ。さあ、すべてを解き明かしてきなさい!

GM:では、四名で向かいましたが、ポメ郎だけが入ることができました(笑)。

ラヴィニア:わたくしたちが警備員の目を引きつけている間に、早く!

ポメ郎:他の三名が受付でもめている間に、ニュルンと足下をすり抜けて潜入するポメ。

GM:ポメ郎以外の三名は、シーンから退場となります。さて、ポメ郎はヤカタブネの間という名前の部屋にやって来ました。

ポメ郎:部屋なのに屋形船とは、これいかに(笑)。

鉄也:ギ……もはやなんでこの店がフランス語のブリオッシュって名前なのかが謎だ(笑)。

GM:さて。前のシーンで話したとおり、彼らは毎週ここにきて会合をしているようです。

ポメ郎:彼らの会話を良く聞くべく、天井に張り付いてポメポメ近づくポメ。

鉄也:ギギッ! 天井って……大胆だな!?(笑)

ラヴィニア:むしろ、死角になって見つかりづらいものですわ。

ポメ郎:じゃあ、天井の照明などにまぎれておくでポメ。

GM:さて、その部屋には四名の男性がいます。みんな仮面舞踏会用の仮面を被っていますが、それぞれの種族はフィルボル、エルダナーン、ヴァーナの兎族、ドゥアンの天翼族とわかりますね。

ポメ郎:ほう。

GM:顔は見えませんが、声などから判断すると、全員男ですね。そして、エルーランについて、批判的な内容の議論を交わし始めます。


「王は手ぬるい!」

「領民からは、まだまだ税を取り立てられるはず!」

「他国との戦争に備えて徴兵制をしくべきだ」


イラスト↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。イラストを閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/27illust07.jpg


鉄也:ギギ……世を憂うというより、庶民から富を絞りとる悪代官の会合みたいだ。

ラヴィニア:ちょっぴり親近感がわきますわ。

鉄也:おい(笑)。

GM:さて、そこにひとりだけ、仮面をつけていない人がやってくるのですが、ポメ郎はその顔に見覚えがあります。

ポメ郎:誰ポメ?

GM:第一話のクライマックスで戦った、ジョンです。

一同:ジョン!?

ラヴィニア:そういえば、逃しましたわね。


「姫さまはみなさまのお気持ちはよくわかっているとのことでした。

『わたくしと殿下が手を取り合って、この国を良くしていきたい、そのためにみなさまの力を貸してほしい』とおっしゃっていました」


GM:そして、ジョンの言葉に仮面をつけた男たちが次々に反応します。


 仮面の男たちは口々に言う。

 「我ら、殿下と姫を争いあった仲だが、いまだ気持ちは消えておりませぬ」

 「姫が望むなら国を変えてみせましょう」

 「どうかなんなりとご命じください」

 「例の計画も進行しております」


ポメ郎:姫? 殿下? 名前は言わないポメ?

GM:固有名詞は出てきませんね。それでも、彼らには誰のことだか分かっているようですが。ここで、ポメ郎は、難易度12の【感知】判定をしてください。

ポメ郎:【感知】判定……!

GM:《アンプロンプチュ》はもう使えないでしょう? 本当はここ、シーフの見せ場にする予定だったんです!(一同笑)

ゼロ:す、すまない! でも、フェイトも使ったし、精一杯がんばった結果なんです!(笑)

ポメ郎:フェイトを1点使うポメ。(ダイスを振る)出目だけで12! 16で成功ポメ!

GM:ポメ郎は気づきます。仮面をつけた四名は、ハートの形をした、ピンク色のダイアモンドを胸に飾っていますね。

ポメ郎:ジョンは?

GM:つけていません。

ポメ郎:忠誠の証とかポメか?

GM:さて、どうでしょうね? 彼らは議論を交わしたあと、適当なところで解散し、帰っていきます。

ポメ郎:ラヴィニア様に報告するポメ! 天井をつたい、排水溝に飛び込んでから外へシュポンと出て、みんなのところに戻るポメ!

GM:では、ポメ郎が料亭から出たところで、シーンを終了します。

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