OPENING PHASE
◆Opening01◆悪役令嬢、失墜す。
伯爵令嬢ラヴィニアには父がいる。
名はリベンジ伯爵。
父に呼ばれたラヴィニアは軽やかな足取りで彼の書斎に入室した。
GM:では、セッションを開始しましょう!
一同:はーい。
GM:まずは、ラヴィニアのオープニングからはじまります。エルーラン王国の王都ログレスにある彼女の父リベンジ伯の屋敷が舞台となります。
ラヴィニア:では、るんるん気分で、お父様に話しかけますわ。
ポメ郎:るんるんってきょうび聞かないポメ(笑)。
ラヴィニア:お父様、王子様との婚姻の日取りはいつになりましたか?
GM:「うむ、その話だが……」
ラヴィニア:盛大な式にしましょうね♪
GM:中止になった。
ラヴィニア:マジでっ!?
GM:「うむ。国王陛下じきじきの命令で、婚約破棄ということになった」
一同:婚約破棄キターッ!
ラヴィニア:な、なにかの間違いでは?
ポメ郎:どんなことをやったんだか気になるポメ?(笑)
ラヴィニア:おほほ。プリプレイでも触れたが、ラヴィニアはこの国の覇権を握るため、王位継承権のある王子との婚約を勝ちとろうとありとあらゆる策略を巡らしたのですわ。
鉄也:ほうほう。
ラヴィニア:政治的・経済的な策のほかにも、人気と資金を獲得するために、自分をモデルにした小説を執筆して、人気作家のフレッチャーさんに見せて、教えを乞うたりもしました。
ゼロ:フレッチャーさんかよ!?
フレッチャーとは、『アリアンロッド 2E・エスピオナージ・リプレイ+データ ハードラック・ミッション』のリプレイに登場する菊池たけしのPC、冒険家にして作家のF・F・フレッチャーのこと。なぜかさん付けで呼ばれるのが基本。
フレッチャーイラスト↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。イラストを閲覧できます)
http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/09frechar.jpg
ポメ郎:そんだけ派手にやって、ばれないと思う方が不思議ポメ。
ラヴィニア:そう、色々とね。そして、首尾良く王子と婚約にこぎつけた時に現われたダイアモンドプリンセスに王子がなびきかけたので、彼女が失脚するように、わたくしじきじきに彼女の実家のダイアモンド鉱山を攻撃、これを爆破したりしているのですわ。
一同:やりすぎだ!(笑)
ラヴィニア:いや、他人のものに手を出したのは向こうが先ですわ!
鉄也:でも、話を聞くと王子が勝手に彼女にほれただけなのでは?
ラヴィニア:逆にその方がムカつくじゃない!?
鉄也:気持ちはわかるけど人としていかんでしょう!?(笑)
ラヴィニア:いいのよ。悪役令嬢なんだから!(笑)
GM:するとリベンジ伯は、「そういえばお前が子供のころ『悪役令嬢になる!』とかわけわからんことを言いだしてからだなあ、おかしくなったのは」と嘆きます。
ラヴィニア:おかしいとは失礼ですわ(笑)。
GM:そんなラヴィニアに伯爵は、「とある島を新領土として治めよ」との王命を伝えます。
ゼロ:いわゆる厄介払いですね。ちなみにとある島って?
GM:エルーランの南にある孤島ですね。名前はミナミーノ島。
ポメ郎:なにその、まんますぎるネーミング!(笑)
ラヴィニア:お父様はそれを受け入れたんですか?
GM:「しかたがあるまい。お前は、あの清らかなダイアモンドプリンセス様に害をなそうとしたのだ。これでも寛大な処置だろう」と、夢見るような表情で言います。
ラヴィニア:やべっ!? 親父まであの女に籠絡されてますわ!?(一同爆笑)
GM:菊池さんの設定どおりだと善良な人じゃないですか。そりゃ彼女に同情しますよ。
ラヴィニア:それがアイツのやり口なのよ!? なんて狡猾な雌狐!?
それにしてもこの菊池たけし、ノリノリです。
ラヴィニア:「話になりません。わたくしが、王にお会いして直談判してきますわ!」ということで、王宮に乗り込みたいんだが……。
GM:なるほど(笑)。では、王宮にラヴィニアが向かったということにしましょう。
* * *
GM:――と、エルーラン王国の王宮に馬車で乗り付けたラヴィニアさん。どーんとそびえ立つ荘厳な城門の前で……あなたは屈強な門番に止められます。
ラヴィニア:なぬ!? こんなところで足止めか?
ゼロ:まあ、国のトップにアポなし訪問は通用しない方が普通でしょう(笑)。
ラヴィニア:ええいっ!! いいからそこを通しなさい!! あたしをリベンジ伯の娘と知っての狼藉かしら!? 怒髪天をつきながら宣言しますわ。
ポメ郎:(門番になって)「ひええっ!? たとえあなたがあのリベンジ伯の令嬢だとしても、お約束のない方を城内に通すわけにはいきません」
ラヴィニア:ぐぬぬ……。
GM:するとその時「その方を通してあげてください。ラヴィニア様は素晴らしいレディなのですよ」と、誰もが魅了される可憐な声がかかります。
ラヴィニア:誰もが魅了される可憐な声!? ……まさか!!
GM:そう。ラヴィニアが一方的にライバル視しているダイアモンドプリンセスの登場ですちなみに彼女の肩には白い子猿が乗っています。
ゼロ:白い猿ですか……元ネタを意識していますね(笑)。
ポメ郎:(門番になって)「これはこれはダイアモンドプリンセス様! あなた様がおっしゃるのであれば」
GM:ではそれで(笑)。野の花のように柔らかに微笑む彼女の出現に、張り詰めた場の雰囲気は解きほぐされ、門番はラヴィニアを城内に招きいれます。
ラヴィニア:くっ! 門番まで手なずけたようね(笑)。
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http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/10illust.jpg
鉄也:まあ、動物にまでなつかれるパーフェクトヒロインだからなぁ(笑)。
GM:彼女は不思議そうな表情を見せ「手なずける?」と言ったあと、「いつも面白いです
ね、ラヴィニアさんは」と、くったくのない笑顔を見せます。
ラヴィニア:くきーっ! こいつのこういうところがムカつくのですわ!!
ポメ郎:これはラヴィニア様が一方的に嫌っているようにしか見えないポメ。
鉄也:ていうか、色々嫌がらせしていたラヴィニアさんの行ないを考えると、実はイヤミで言ってるのかも?
GM:今のところ彼女の本心はわかりません。というか、さっき菊池さんが言い出したキャラなんで性格なんて決まってません(笑)。とりあえずは、純真無垢な令嬢扱いで。
ラヴィニア:しかたないなあ(笑)。ともあれ、「礼は言っておきましょう」と彼女に告げてエルーラン王に直談判に行きますわ。
GM:わかりました。
というわけで、エルーラン王と謁見したラヴィニアであったが国王の決定を覆せるはずもなく……。
GM:南の島のミナミーノ島行きは決定です。
ラヴィニア:うううう。かくなるうえは、彼の地で力を蓄えましょう。そして立派な悪役令嬢になってあの女に復讐してやる!
鉄也:立派な悪役令嬢って(笑)。
ラヴィニア:しかし、しょせんわたくしはか弱い令嬢。
GM:か弱い?(笑)
ラヴィニア:まずは、わたくしの野望を支える人材を集めることに専念しましょうか。
GM:では、ラヴィニアがそう決意をしたところで、このシーンを終了しましょう。
かくして、悪役令嬢ラヴィニアは立ち上がった。
正統派ヒロイン“ダイアモンドプリンセス”に意趣返しするという不純な動機ともに。
この決意が色々な人々を巻き込んで、ちょっとした事件になることを、この時知る者はいなかったのである。
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