言の葉集

akari

第1話 君といた春

すべてが始まる春だった

君はころころ笑ってた


僕の話は面白い?

髪をゆらして首を振る


あんまり季節がまぶしくて

何でもなくても笑うのよ


桜もちょうど散り時で

はらりはらりと落ちてくる


体育館のすぐ脇の

西日のそそぐ小宇宙


時々聞こえる足音は

気合いの入った剣道部


二人で話した小さな言葉

ほろりほろりと降り積もる


今でも心に暖かい

君といた春

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