浮気への対処法

　俺はいろんな相談を受けるんですが、女性の場合、浮気でなく、本気が多い。離婚して、浮気相手と一緒になりたい、という相談が多い。

　そういう時、これは、亭主の落ち度だな、と考えます。そうならないための対処法を今から書きます。

　まず、女性が浮気する時、必ず心の隙間があります。寂しい、誰かに優しくされたい。今の結婚生活に行き詰まった。このままでは先が見えている。人生を変えたい。

　まあ、逆に言えば、浮気したい男はこういう女性を狙うわけなんですが、亭主が仕事や忙しさにかまけていて、妻の不満に気づかないと、女性の心に隙間風が吹く。別に浮気したり、離婚したりしたからといって、自分が変わらない限り人生変えられないのですが、条件が変われば、自分を変えられることもある。なので、寂しさを埋めるために、血迷ったりする。

　賢い男は、子供を作ったり、家を買ったりと、環境を変えて、行事を増やし、忙しくすることで、妻の浮気を未然に防いだりする。

　配偶者の浮気心を察知し、浮気を未然に防ぐというのは、最も大事なことですが、気づいてからがもっと大切。女性を責めないこと。どうすればその不満が解消されるのか、そちらだけを重要視する。

　相手との男の恋愛が盛り上がっている時であると、感情に流され、離婚したいと言って聞かないかもしれないので、どういう段階にあるのか見極める。まだ、恋心の初期段階ならば、浮気心に気づいている、と示す必要があるので、”そいつに本気か？結婚したいのか？”とズバリ聞きましょう。案外とその方がいい。

　そこで、”本気です”と言われても、諦める必要はない。今から盛り上がる直前ならば、ある程度、付き合って飽きると、戻ってくる。ただ、そういう”貞淑でない妻”とは別れてもいい、と考え、それが許すなら、間違いが起こる前に、じゃあそいつがいいなら、別れよう、と言うのもいいかもしれない。（実際にそういう例を見た。まあ、もしかして、女性が黙ってるだけで、すでに間違いがあったのかもしれないが。）円満な離婚。何の問題もなくうまくいっていたカップルが、突然別れるというのは、意外にある。不可抗力。

　それにしても、すでに結婚していて、結婚できないのに、”結婚したいくらい好きなのか？”と聞くというのはある意味、策士です。人間は、ある程度、歳を取ると、新たな人間関係に飛び込むのが億劫になってくるようで、既に築きあげたものを、失ってまで、また新たに一から何かを作り直すことに、臆病になるらしい。その点をうまく突いている。（このケースのカップルが２０代などもっと若ければ、有効な対処法も、きっと違った。女性の年齢が、子供はもう望めない年齢。おそらくそれと浮気は関係がある。俺は気づかなかったけど、そう指摘した俺の友人がいて、女性の性欲の神秘を感じる。）

　サムライでも、もう一つの返事の仕方があります。

　”違う。お前は本気ではない”

　そう答える方法。はっきりと、冷静に断言し、否定し続けると、女性は、”そうかも……気の迷いかも”と思い始めます。何よりも、人間というのは案外と、揺らいでいるものなので、絶対的に自信を持って言われると、何が本当なのかが、わからなくなりがち。

　逆に、本当に本気、と意固地になるケースもある。本人の性格と時期を読み間違えないこと。たいして好きでもなかったのに、反対されて燃え上がるケース。

　なので、できるだけ冷水を浴びせる方に持っていくこと。本当にそっちの男がいいのか、大体の場合、浮気略奪婚は、同じ歴史が繰り返されるので、信用という意味で、両者の信用は周りの目からも、自分自身から見ても、ガタ落ちになる。

　いざという時、浮気して自分と付き合った相手を信用できるのか？それ以上に、裏切り行為の果てに、浮気してしまった軽はずみな自分を信じられなくなる。大きな汚点となり、その後の人生に陰を落とすことになるので、そのことを妻に悟らせる。結婚というのは、そんなことしません、という契約でもある。その契約を違えることの意味。

　妻が”そんな関係じゃないです”とか、浮気心を否定したら、泳がせる。普通は、家庭を壊したくない浮気であるなら、大人しくなります。そうでない場合、浮気したら、離婚する事をはっきり言っても、妻には自由にさせる。これが結構、効果があります。どれくらい自由にさせるかというと、妻のしたいようにさせる。会いたいなら合わせる。まさか間違うということはないだろう、と信用するしかない。

　それでもなおかつ、隠れてこそこそ浮気するのは難しいため、かといって、寂しい、心の隙間が埋まらない女性は、”浮気はしないけれど、自分に足りないものを埋めたい”と考える。その足りないものを埋めてやれば、解決します。妻の求めていることが何なのか、知りましょう。案外と簡単なことかもしれない。日曜日に着飾って、幸せそうな恋人同士みたいに、食事をしたり、映画を見たい、というような。そういう擬似恋愛的なものを、浮気相手に求めていた可能性がある。

　妻の求めるものを与えながら、相手を自由にさせながら、”俺とその男と、どっちを選ぶ？”という態度は崩さないこと。しかも、”浮気したなら、離縁、でも遊びたければ遊べ、浮気は許さんが”という、あくまで”夫”の立場をフルに使います。

　浮気男は責任を取らない。俺はお前の全ての責任を取っているし、これからもそうだ。どっちがいいんだ？

　女性にしてみたら、頼れる男の方がいいに決まっているので、どっちにしても勝てます。浮気するような女は許さんが、お前まさか、そんなことはないよな？

　愛人が夫公認と女性に舐められるとダメなので、あくまで浮気したら離縁だ、と覚悟させないとダメです。

　この場合、自由にさせて、ある程度、楽しく泳がせるのが重要です。多くの人の場合は、バレているのに堂々と遊び続けるというのは、罪悪感からできないものです。特に女性の場合。他の人を好きになってしまった、告白して、早く楽になりたい、と考える。

　現在進行中の浮気を告白されてしまうと、離縁するしかなくなるため（サムライ男子のメンツ的に）、告白させてはいけない。墓場まで持って行かせる。たとえ告白されても、”俺は信じない。お前はそんな女じゃない。悪いのは、その男”という立場を崩さない。

　面白いことに、浮気の場合、女性は浮気相手の女性を責め、男性は、自分の妻を許せない、と思う。なので、女性の擁護は難しいかもしれない。

　サムライ男子的に許せない場合、自分がどうしたいかで考えます。メンツという意味で、”何かあったとすれば、それを墓場まで持って行かせる”のが正解。

　浮気など”なかったこと”として、絶対に認めない。

　認めてしまうと、許せない気持ちになり、別れないといけなくなるので、追求しすぎない。（実際の例を知っている。）妻に、言い訳の逃げ道を与えます。お酒に酔っていて、とか、向こうが強引に、とか、一時の気の迷いだった、とか。だから普段から、お酒や服装、外出や働きに出ることには気をつけないといけない、と教育しているわけですが、事故として処理する。実際に、妻に浮気をさせないよう、美しい妻を絶対に外に出さないよう、仕事させないよう気をつけていた、という例さえあるほどです。

　夫に優しくしてもらい、自由にさせてもらい、妻は当初の目的を達成するため、よほど相手の男に嵌まっていなければ、しばらくして熱が冷めたら、けろっと覚めます。相手の男の見極めも肝心です。相手に家庭があり、子供がいたりして、相手も離婚が不都合な場合、本当にちょっとした出来心かもしれないし、何より、妻のすることは夫の責任なので、あまりにも構ってやらなかったこと、ぞんざいに扱ったことを反省するべき。

　逆に、浮気相手に全てにおいて負けている場合は、かなり厳しい。特に、妻にお金の面で苦労させすぎていて、浮気相手は裕福な場合。妻を取られても、諦めるしかない。自然界は無情。ただ、結婚しているので、不貞行為を訴えることはできる。

　妻の浮気に必要以上にショックを受けない。人間誰しも、そういう時期もある。もともと貞淑な人を選べ、というのは、そういう理由もある。男というのは意外に繊細、だけれども、そんなことにはビクともしないくらいの精神力で、俺以上の男がいるわけないだろう、と大きく構えるべき。逆の場合は、自分の実力のなさを噛み締め、負け犬になるか、もっと努力するか。

　お前がそうしたいなら、自由に出ていって良い。女性はより器の大きな男を選ぶので、それが正解。（たまにダメ男に嵌る人もいるが）、ダメ男に嵌るような女は亭主をダメにする女なので、別れて良し、と割り切る。お前に任せる、お前も馬鹿じゃないだろう。それで、例えば相手の経済力や地位に惹かれ、去っていく妻なら、それも良し。（そんな現金な女を妻にしていると、いつか裏切られる。というか、今まさに裏切られたわけですが。）

　妻を責められないケースもある。経済的に苦労させ過ぎ、それだけでなく、自分の両親の世話までさせ、妻がもう無理、限界、となり、楽させてくれそうな男と出ていったケース。

　実際は、出世のために妻を差し出すような男もいるくらいですから、（是非はともかく）、男はそんなことくらい、気にしない。それより、自分の実力不足、妻が満足していなかったことについて、猛省するべき。鈍感なくらい鷹揚でいられて初めて、その保護下で寄らば大樹の陰、と身を寄せたいという大和撫子と釣り合うので、あいつもおとなしそうな顔をして、なかなかやりおるな、と、笑い飛ばせるくらいの精神力を身につけましょう。