ひらり
子供の頃は外で走り回って遊んでいた。
鬼ごっこもしたし、缶蹴りもした。
男子も女子も一緒になって遊んでいた。
いろいろと楽しかったな、と思い返せる。
自分たちで考えた遊びもたくさんあった。
“ひらりひらり”も仲間でよく遊んだ。
ほとんど鬼ごっこと同じようなものだが、
違うのは鬼が、「ひらり、ひらり」と言いながら
大げさに手を振り回して追いかけるところである。
私もけらけら笑いながら遊んでいた。
ひとつ覚えていることがある。
よく遊んでいた公園に、見かけない子供たちが来ていた。
少し遠くの学校の子なのだろうか。
無邪気なものであるから、いつのまにか一緒になって遊んでいた。
そして、“ひらりひらり”をやることになったのである。
その子らにやり方を教えると、ひとりが嫌がった。
「わたしそれいやだ」
「えー面白いよぉ、こう鳥みたいに手をさぁ」
「こわいからやらない」
「なんでぇ、なにがこわいの」
「ねこをたべるから」
その子たちとはそれきり遊ばなかったから、それ以上のことは分からない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます