番外:仮面ライダー剣に捧げる詩 越えていく

砂を踏む音

足跡は轍をなぞる

水は爪を覆い

蜃気楼は指をすり抜ける

 

肩に掛けた生命が色を移す

ふやけた皮膚は境界を喪う

暗い海に手足は揺蕩い

細胞は血脈を辿る


刃が背中を突き破る

たたらを踏む足

若草は滲み

手にこびりつく殺意


狭間をさまよう目

雷鳴は花を降らせ

幾分かゆっくりとした

時計を叩き壊す


同等の同極

意思は反発する

本能はよだれを垂らし

赤い壁に磔にされる


孤独の先を歩く

崖から投げ捨てた時を

拾うだれかを想う

無限の一日はくりかえす

赤い花びらを一枚ちぎる


レンズがきらめく

終わりある足跡を残す人

憧れにやさしくおぼれて

無限の始まりを

見つめている


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る