かなしみ

かなしみは うつくしい


苦しみは うつくしい


死にたいと 初めて願う その時に


私の心に うずくまる


何かが はたり、とこぼれだす


そして 私の身体から


歌と言葉が あふれだす


歌はきらめき 言葉はかがやき


きらめきは かなしみの欠片


かがやきは 苦しみの足跡


うつくしいものは


悲哀と苦難から生まれる


誰が目を背け始めたのか


世を照らす 苦しみの結晶


生みの苦しみ 去りの悲しさ


果たしてそれは うつくしい


きらめく涙 静かな時


それは哀しみの星屑


かなしみは うつくしい


はたと散る 桜のように


苦しみは うつくしい


寒さに耐える たんぽぽのように


生きることは うつくしい


生は苦しみの泉


そして苦しみの上に咲く 小さな喜び


死もまた うつくしい


時に宿る 静かなかなしみ


絶え間なく繋ぐ 苦しみとかなしみの鎖


そして 受け継がれる 喜びと希望の種子


世界は うつくしい


廻り ひしめく きらめきとかがやき


また いつでも これからも


すべては うつくしい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る