第2話

地元に戻って来たのは去年の冬。



役者を目指して上京したが、1年半で帰ってきてしまった。

上京してから、少しずつ前に進んでいた。

やりたい事も少しずつやれるようになっていた。

それでも、バイトをしなければ生活は出来なかった。

上京しても、地元にいた時と同じバイトをして、社員にもなった。


社員になっても役者業を優先させてもらえてた。


舞台の稽古がある時はキツかったが、生活も少しずつ安定してきたのに、ストレスばかり溜まり体を壊した。


辞めたくても辞めさせてもらえなくなっていた仕事。

実家に帰ることが理由ならと退職をさせてもらえた。

それともう一つ、彼氏と上手くいっておらず、逃げる様に帰省を決めた。


本意ではない帰省。


夢と希望に満ち溢れていた心が、たった1年半で今にも干からびてしまいそうなくらいボロボロになっていた。


結局、彼とも別れられずに今は中距離恋愛中。

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