新潟駅前 駅前楽天地で立ち飲み
珍しく人と飲む約束をしている僕は、どこかで時間を潰せないかなと、うろうろと駅前を散歩していた。
約束の時間まで後30分程だけど、それぐらいだったら、
お通しもなくてさくっと飲めるそんな店がいい。
そんな店に心当たりは、、、ある、けどあそこは言った事あるしなぁ。
どうせなら新規開拓したい。
歩き回っている間に駅前楽天地に到着。
駅前楽天地の入口の横にある店が心当たりがある店だ。
今日も繁盛しているみたいでよかったよかった。
だがその店には入らずに、楽天地の通りを歩いて行く。
この通りはもう何度も通っているのだが、
なんというか、どの店も雰囲気がある。
なんだか一見である僕が一人でおいそれと入っていくには、
少しばかり億劫になるようなそんな店だ。
通りの突き当りに来るまで、結局どの店にも入れずじまい、
今日も素通りで終わるかななんて思っていたが、
目の前に大きな樽を利用したテーブルがドアの外に置いてある。
テーブルと分かるのは、上に灰皿が置いてあったからだ。
店内を覗くと、L字のカウンターに奥には階段がある。
そしてカウンターには椅子が置いてなかった。
ここだと思った。ここならさくっと飲んですぐに出られるだろう。
「一人だけど」
早速中に入って指を一本立ててカウンターの店員に声をかける
「どうぞ、、、2階に行かれますか?それとも1階?」
1階なら立ち飲みになりますけどと、店員は言ってきたので、
1階で大丈夫ですと答えた。むしろ1階がいいのだ。僕は友人との約束の時間まで、ほんの少し時間を潰したいだけなのだから。
カウンターにはメニューが立てかけてあったのでとりあえず
飲み物を選ぶ。
とりあえずとは言うが、実はこの時すでに別の店で飲んできた後だった。
なので食べ物は正直必要なかったし、飲み物も酒ならなんでもよかった。
「すいませんこの流氷ドラフトって奴下さい」
僕が頼んだのは青いビールだとかなんとか書いてある奴で、
ビールが青かったらそれはもうリキュールみたいなもんじゃないかと思った。
「キャッシュオン式なんですけども」
来た、キャッシュオンデリバリー、代金引換式。
立ち飲みと言ったらキャッシュオンだと思う。
僕はカウンターに1000円札を置いて、お釣りをもらう。
本当ならここで頼んだ飲み物をもらう所なのだが、
先にお金だけ払う事になった。
それからしばらく後、僕はてっきりカウンターの店員が飲み物を持ってきてくれるとばかり思っていたのだが、実際には向かいの
居酒屋の店員が洒落たグラスの青い飲み物を持ってきてくれた。
そんなシステムあるのかっ!
「すいませんここって禁煙です?」
飲み物を待っている間に辺りをきょろきょろしている時に、
禁煙マークを店内に見つけたのだ。
立ち飲み屋で禁煙?なんかオシャレで張ってあるだけじゃないの?赤羽の有名立ち飲み屋なんて床に吸殻捨てるなんてシステムだったりするからな。
だけどタバコを吸うなら、外の樽のテーブルで吸ってほしいとの事。
僕は届いた青いビールのグラスを持って、外に出る。タバコに火を点けてふぅーと一息。
そして青いビールも一口。
さっぱりとして甘く、ブルーキュラソーの入ったソーダと言う印象。まだまだ暑さ厳しい8月中頃の夜風は生ぬるく、そんな中で
よく冷えたビールは喉をしっかり冷やしてくれた。
そうして新潟の夜を感じていると電話がかかってくる。
もうすぐこちらに着くと言うので、ちょうどフィルター近くまで
灰になったタバコをもみ消すと、残ったビールを飲み干した。
ごちそうさま、僕はそれだけ言って店員さんのありがとうございましたと言う声を聞いて駅前の繁華街へと戻っていく。
僅か一杯、滞在時間15分。これができるのが立ち飲みのいい所なんだよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます