映画を見る為にやってきた僕が時間を持て余して食事処に飲み目的で入っていく

新潟駅前、万代口正面を出てまっすぐ大通りを歩いて行くと左手に大きな商業施設が何件も現れる。

俗に言う万代シティと呼ばれる場所で、大型デパートや専門店が集中する、新潟駅前屈指の商業スポットだ。

今日はそんな万代シティの中のシネマコンプレックス、TJOY新潟万代に用があってわざわざやってきた。新潟駅前から歩くとそこそこ距離がある万代シティの一部、ビルボードプレイス3階にあるここで、今日はアメコミ原作のハリウッド映画を楽しむのが僕の予定だった。

僕は事前に上映時間を調べて、開始時間の1時間前にチケットを購入した。

そうして3階の映画館から一度退出し、

テナント内の飲食店を見て回る。

時間帯は日が落ちてきた頃、どこも空いているが、どうも入ろうと言う気が起きない。と言うか商売気を感じない。

テナント奥の和風レストランなんか広い店内のテーブル席で

客は一人しかいない。

入っていいのか迷っていると店員と目が合う、それが決め手になった。


「すいません1人ですけど」


ここにしようと覚悟を決めて5メートル以上は離れているであろう場所にいる店員の為に少し声を張る。

こんなに空いている中で一人ですけどと言うのも可笑しな話だが、

店員さんはそんな事はかまわずにどうぞと席に案内してくれた。


「とりあえず生一つ」


僕は生ビールを頼んでからメニューを見渡す。

基本は蕎麦屋のようで、そばの定食が多くを占めている、、、が

紙でできた手書きの一品料理のメニュー、これが見事に酒飲み仕様。

頼むならこちらからだろう。


「すいませんもずく酢と茄子漬け、それと越後モチ豚のあぶりで。」


僕にしてはこれ以上ないさっぱりとしたチョイスとなった。

多分胸やけか何かでもしていたのかもしれない。

ともかく生ビールを飲みながらそわそわと料理が届くのを待つ。

テーブルに灰皿が無いもので、ここはおそらく禁煙なのだろう。

煙草は我慢して信濃川の雄大な風景に目をやってゆったりと時間を過ごす。

まあ映画の時間があるから、あまり長居はできないのだが。


もずく酢と茄子漬けはすぐに届き、そのタイミングで新潟県の地ビール、こしひかり越後ビールを頼んだ。


まずはもずく酢を口に運ぶ。ずるずると音を立てて啜るようにして食べるとさわやかな酢の酸味が刺さるように口内を刺激する。

うんうん、と一人納得しながら一杯目のビールを空にして、茄子漬けに手をかける。

これが絶妙な塩加減。僕は子供の頃茄子が食べれなかった。なんだか見た目が嫌いだったのだが、年を取るにつれて少しづつ苦手意識を改善していき、今では茄子の漬物も平気で食べられる。

苦手だった茄子が食べられるようになったのは、いつだったか茄子の照り焼きを食べた時に、その野菜とは思えないジューシーさに、急に苦手意識がぱっと消え去ったのだ。それからは照り焼きに限らず、天ぷらに漬物になんでも行けるようになった。

ともかくその茄子の漬物を口に運ぶとこれがまたうまいんだ。

じんわりと浸透してくる塩気に茄子のうまみが乗っかって、それが咀嚼する度に

波のように寄せては返す。もずくに茄子とさっぱりした献立にも関わらず、すでに結構満足気味な僕。


だけどそこへ追い打ちをかけるようにこしひかり越後ビールが届いた。

先ほど空にしたグラスを持って行ってもらい、越後ビールを一口。

先ほどのビールは一番搾りだった。その一番搾りに比べると甘い風味が目立つように感じる。だけど劇的に癖がある訳ではなく飲みやすい印象だ。

ごめんなさい偉そうな事いいましたが正直あんまり違いが分からなかったです。

海外のクラフトビールなんかはこれでもかってぐらいの曲者ぞろいでこれは美味いと感じるのだけど。

ともかく最後の一品、越後モチ豚の炙りが届く。

越後モチ豚とは新潟県の誇る豚肉ブランドでやわらかく、しっとりとした肉質が特徴、、、らしい。

僕はスーパーに行けば100g98円の豚バラ肉ばかり買っている人間なので、

こうした良い肉に触れる機会はあまりなかった。

目の前にはてらてらと身に浮き出した油と点在する焦げ目、そして決して臭み無く、なのに豚肉と分かる香りが鼻の中を突き抜けていく。

そんなモチ豚を頬張るとやはり食感が違う。アメリカ産のばら肉はぼさっとしてざくざくと歯切れが悪い印象(モチ豚に比べるとです。僕は100g98円のばら肉が好きだ!安い!家計の味方!)だが、越後モチ豚、しっとりと歯ごたえ良し。肉の旨みでビールも進む。


頼んだ物が出そろった所で、僕はまずはもずく酢を空にした。

そして茄子漬けとモチ豚のコンビネーション、添えるように越後ビール。

茄子漬け、モチ豚と空にしていき、最後にビールを飲み干す。

僕は外の風景に目を向ける。先ほどよりも少し暗くなったかも。

時計に目をやると上映時間まで後30分程だ。

僕は店員を呼び会計を済ませると、

テナント内の喫煙所に向かった。

この後僕は映画館でビールを買って、

それを片手に映画を観賞した。

映画は大変満足できるもので、

とても楽しい時間を過ごす事ができた。


だがしかし、

2時間以上ある映画をしっかりと鑑賞していたが所以に、

僕の酔いは随分と醒めてきていた。

その後の僕は新潟駅へと向かう。

駅に向かった後は、、、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る