泣きたい夜に



泣きたい夜に

裂いてしまいたい

夜の闇の奈落に

引っかかるような

ワダカマリばかり残って

後味が悪くて

夢にまで残るなら


その夢の中まで

共有したいだけなの


なんでもないこと

何気ないこと

その一欠片でいいから

僕に頂戴


月のクレーターに

置いてきた

真空の花弁

触れたら

血を濡らすけど


そんなこと、かまわないから。


なんでもないこと

何気ないこと

その一欠片でいいから

僕に頂戴


醜いと言う

見難いと言う

見るに堪えないと

君が背中を向けるけど


なんでもないこと

何気ないこと

その一欠片でいいから

僕に頂戴


君の一部分

そこから全部

何から何まで

僕に頂戴。


何でもないこと

何気ないこと

ただそれだけのこと

ただ、それだけのことなんだ。


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