十字


十字の墓標で

誰かが眠る

風の吹き荒れる日に

誰かが生き死に出会い別れまた旅立つ


空に十字を指で描き

星の光の明滅が一滴の楽園

幻のような世界


指標は墓標

十二宮、螺旋のように繋がる夢幻で迷い続けた

無限な箱庭世界に落ちていく

僕ら踊り続けて


星の流れのように光のように

流れて消える

儚い幻の欠片と断片のように

空に十字を描くように

やがて膨大なエネルギー粒子で

死を囁く超新星爆発のように

詩人が言葉に蝕まれていくように

錆び付いたロザリオに滴る血が

永遠に止まらない万華鏡のように


僕ら十字架を背負って

眠りにつく場所を探してる


眠れない眠りの中で夢を見ない夢の中で

貴方がいない貴方の隣で晴れない空の雲の上に

輝く陽射しを探し求めて

真空空間で刃を研ぐんだ、錆び付いたナイフを

言葉の凶器を、立ち上がるための武器で、誰も傷つけないために


指標が墓標

背負う十字架なら、年を重ねるごとに重くなる

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