君へ向かって


君へ向かって

分かっているのに

近くて 遠くて

わだかまって

疑って 固まって

何もできないまま

息だけ吐いている

この距離

あと少しが

光の七周半より

遥か遠くて



分かっていたはずなの

光の届かない場所に咲く萎れた花でしかなくて

それで仕方なくて

そんな仕様なんだって

規格外品な私は

諦めていたのに



君へ向かって

ただそれだけを願って

弱い私よ変わってと

そんなこと願っても 

弱い私を殴っても

なんら変わらない

戻らない過去とか

石ころのように積み上げて


君へ向かって

君が向かって

立ち止まって

君が触って

私に笑って



君へ向かって

この距離

あと少しが

光の七周半より

遥か遠くて


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る