呼び声


失敗を繰り返して大人になると言うのなら

僕は失敗を繰り返して大人の汚さを知る


僕を呼ぶ声がした

そんな声のことを忘れていた

いつの間にか大人になって

蔑む事を武器にしていた


月の光は変わらない

潮の満ち引きの作用の中で

溺れていく毎日の中で

薬を手にするように

拳を掴む、その手を何処にも振り回せずに


僕を呼ぶ声がした

そんな声のことを忘れていた

誰かの顔がちらついて

その輪郭が思い出せない


知る度に散る

君が居る

それだけを頼りに生きる

言葉が宿る

その言葉を武器に僕は僕を騙る

偏るバランス 至るセンテンス、

その先へプラス 満たす、揺るぎなく

耳を澄まして 目を覚ます

夢の中の事なら消えて儚く

だから今、僕らは現実で羽ばたく日々、ひび割れて


僕を呼ぶ声がした

そんな声のことを忘れていた

無我夢中で走ってきた

行く先を忘れかけた

欠けていた僕の中のピース

僕を呼ぶ声がした

そんな声のことを忘れていた

僕を呼ぶ声がした

そんな声のことを忘れていた

僕を呼ぶ声がした

そんな声のことを忘れていた

僕を呼ぶ声がした

立ち止まって振り向いたみた。


笑っている君の笑顔を見て

僕も無邪気に手を振った


僕を呼ぶ声がした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る