ムンフリ
夏田古文時はぎゅうちゃんの背に揺られ
悲鳴が聞こえてくる映画館へと
突進する
キャー
ンギャー
と
悲鳴が激しさを増していた
映画館の扉を、ぎゅうちゃんの逞しい角が、ドカリと打ち破り、なだれ込んだ
すると、スクリーンでは阿鼻叫喚のホラー映画クライマックス
悲鳴はホラー映画の悲鳴であった訳だ
「仕方ない、途中からですが、なかなか面白そうじゃありませんか、映画鑑賞と洒落込むことにしますか
ぎゅうちゃん」
夏田古文時はポップコーンをぎゅうちゃんと一緒に食べながら、ホラー映画のクライマックスを鑑賞する
夏田古文時とぎゅうちゃんはホラー映画に夢中であった
その間、ハルサー団はタネ蜥蜴をすべて倒した
映画館から聞こえくるホラー映画の
ギャー
ドギャオ
という声に驚きハルサー団が映画館に突入
すると、ポップコーンを
鼻の穴に詰め込まれ、椅子に縛りつけられた夏田古文時
すわ
ハルサー団は夏田古文時を縛りつけたロープを鎌で解き放つ
鼻の穴に詰め込まれたポップコーンは
ハルサー団全員で分けて
ぼりぼり食す
「ナツダックのエリートサラリーマンがなんで縛られてたのか~?
誰にやられたのか~?」
ハルサー団の太っちょリーダー、ムンフリが
夏田古文時の猿ぐつわを解いてやる
「ありがとうございますムンフリさん
助かります」
「あんたナツダックのスーパーナチュラルサラリーマンなのに なんでこの映画館の椅子に縛られていたの? 」
「犯人… いや、犯牛は水田水屯 つまり水牛のぎゅうちゃんです、油断していたら、鼻にポップコーンを詰められていました、僕の弱点の一つが、鼻にポップコーンを詰められる
ことなんです」
「おかげさんで、わったあハルサー団は夏田古文時さんの鼻の穴エキス付きのポップコーン食べさせてもらったさあ、そしたらみんな、念のパワー少しアップね、少しアップね
夏田古文時さん」
ハルサー団の太っちょリーダー ムンフリは 「少しアップね」 という部分が気に入ったらしく
何度も「少しアップね」「少しアップね」と繰り返した
夏田古文時は、すぐさま映画館を飛び出した
あの美人を探して町中を駆け回る
最後は油断してぎゅうちゃんに
縛られたが、夏田古文時の活躍が町を救ったことに違いはない
あの美人は夏田古文時の嫁さんになるはずである
すると、町のはるか遠くの農道に、ぎゅうちゃんらしきものが
すわ
株を取りだし、念を込めると、望遠鏡の出来上がりだ
望遠鏡で確認する
やはり、ぎゅうちゃんである
背中にナカンダカラと美人さんを乗せて
ゆったりと農道を東へ向かい進んでいる
ウマッタラという株を、黒いビジネス鞄から取り出したのは
ご存知、スーパーナチュラルサラリーマンSNS
夏田古文時その人である
そっと、ウマッタラの株を大地に置く
ウマッタラの株はレア株である
だから、使い捨てになどできないから、あまり大量の念を注がないようにする
それが難しい
思い切り念を注ぐほうが簡単である
大量の念を株に注ぐと、その株は再使用できない
使い捨てにできないほどレアな株に、慎重に念を注ぐ
これは非常に気を使う作業なので、逆に、大量の念が空気中に無駄に放出されてしまう
ぐったりとなった
だが休むわけにはいかない
ぎゅうちゃんたちを追いかけねばならない
念を慎重に注がれたウマッタラの株は大きくなっている
夏田古文時はウマッタラに乗った
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