ナカンダカラ






「あんた仕事は何やってるかねえ?」


じいさんは、夏田古文時がこれから町を救おうと動き始める時に、のんびりしたことを訊いてきた


「わたくし夏田古文時はナツダックという株関連企業のスーパーナチュラルサラリーマン

SNSであります」


「わんは、この水牛と一緒に畑歩いているさー、ナカンダカラ という名前やいびん

ゆたしく」


「ナカンダカラさんは畑歩いているんですか?」


「畑歩いているというのは、畑仕事に従事してるいうことさ~、海歩いてるいゆうたら漁師で、宇宙歩いてるいゆうたら 宇宙飛行士さあねえ、あと、ゆたしくというのは、よろしくう願えさびらという

ことさねえ~」


「こちらこそよろしく

お願いいたします」


早速名刺をお渡しした夏田古文時であった


「ありっ 夏田古文時! 早く町を救いなさい、早くしないと町がギンネムに

食べられるさ~」


ナカンダカラが急に急かしたので、夏田古文時は早速動こうとすると


「ありっ、ちょっと待ちなさい あわてんぼだね東京者は、あんた株の仕事してるなら、株いま

持ってるんか?」


「もちろんですナカンダカラさん」


夏田古文時は、使い込んだ黒鞄から株を取り出した


「あいっ、立派な株だねー、スペッシャルな

株やさや~」


「ナカンダカラさん、よくご存知で、この株はナツダック製の普通の株に、わたくし夏田古文時が念を注いだスペッシャルな株です、わたくし夏田古文時は SNSスーパーナチュラルサラリーマンですから、株に念を注いで、いろんな作用を開花

させることができます!」


よっこらせと、ナカンダカラは水牛の背から降りた


「わんも一緒に町を救いたいけどよ、今回はこの水牛を貸してあげるから、夏田古文時

あんたが行きなさい」


「わかりました、わたくし夏田古文時かならずや町を救いたい所存です、ところで

この水牛さんの名前は?」


「水田水遁みずだすいとんじゃ、でもよ、ぎゅうちゃんで

いいやっしぇ」


「ぎゅうちゃん、わたくし

夏田古文時と申します」


早速ぎゅうちゃんに名刺を渡し

挨拶を怠らない夏田古文時であった


すると、ぎゅうちゃん素早く、自分の名刺を出しまして


長い角をポキリと折りまして


泥に、折った角を浸したのである


折った角をペタンと名刺に押しますと


印鑑つきの、その名刺を夏田古文時に渡したのである


折ったと思われた角の印鑑は、またカチリと、もとの角に戻したのである


「ありっ、ぎゅうちゃんが印鑑付きの名刺を渡したのは、何年ぶりかねえ、ナポレオンに

渡した以来かねえ 」


夏田古文時は水牛に乗った


すると、水牛のぎゅうちゃんは 町に突進した


ギンネムにぐるり取り囲まれた町に突進した


あわやギンネムに激突かと思われた瞬間


夏田古文時は、すでにモンダモンという株を投げていた

モンダモンという株はギンネムの壁に入り込んだ


夏田古文時が念を送る


モンダモンの株が急速発育して、ギンネムを押し開き、門を出現させた


「モンダモンの株はありふれた株だが、あいつ、手際の素晴らしいユタージンだったか、モンダモンを作用させて門を出現させやがった、スーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時、とんでもないポテンシャルを

秘めてやがるぜ」


ナカンダカラは訛りのいっさいない独り言を呟いていたのである





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