第5話 ハーケン·クロイク

 「昔々ある村の付近に「悪魔の聖獣」と呼ばれる「黒兎」があらわれたのだった。村の皆はその報せを聞き、大騒ぎになった。しかし、村は人的被害どころか傷ひとつ残ってなかった。その村が次第に経済力·軍事力をつけていき、五大王国のひとつである「クロイク王国」になった」

「ふーん。あのさ、マリン」

「なんだ?」

「いろいろと質問があるんだけど」

「構わん、言ってみろ」

「あのさ、黒兎ってお前のことじゃね?」

「ななななな、何を言っておる、我のわけがなかろう」

「ホントかよ」

「ほほほ、ホントだ」

「正直なことを言って?」

「うぅ...。いいか?よく聞いておくのだぞ」

「お、おう」

ゴクリ

「本当のことは...」

「本当のことは?」

「よく覚えてないんじゃよ」

「マジ?」

「マジ」

え?なんであそこまで焦らしたの?

「いやあー、なんとなく(テヘ!)」

「いや、テヘじゃねえよ、肝心なところを忘れてるじゃねえか!」

「まあまあ」

「まあまあじゃない!おま、ちょっと待てよ」

「それより聞きたくないのか?なんで村が無事だったのかを」

「ああ、そうだった」

「なぜその村が無事だったのか、それはある男が退治したからである。その男の名を「ハーケン·クロイク」と言う」

「なあ、ライズってまさか」

「そのまさかだ」


                               続く

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