お昼ごはんの後で

 白い天使たちが見守る午後一時

 全ての景色が輝いている

 のんびり歩く野良犬の足取りさへも軽やかに


 世界を旅する気まぐれな風もこの季節がお気に入り

 街に、海に、山に優しく吹き抜けて行く

 ただ爽やかに、爽やかに


 田んぼもすっかり黄金色

 揺れて揺られてダンスは続くよ

 その中でが蝗が明日に向かって飛んでいく


 山道を歩くとそこは空前の出産ブーム

 豊かに実ったそれを待ち焦がれていたのは

 だけど人間ばかりじゃなくて


 美味しいものは早い者勝ちさ

 誰が言った訳じゃないけれど

 虫に鳥に獣に人間

 みんなみんな目を光らせている


 そんな争いの中、僕は梨をひとかじり

 身体中に広がる瑞々しい感覚

 幸せな午後、丘から見下ろした海


 深呼吸して腕を伸ばしたら

 空までも掴めそうな気がしたよ

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