春風と溜息

 鶯が恋の相手を探してる

 その頃、僕はまだ夢の中だった

 優しい潮騒の子守唄に揺られていたよ


 何も変わらない僕に季節だけが一回り

 巡ってきた春に何のもてなしも出来ないけれど

 ああ、これからどうなって行くんだろうって思うけれど


 それでも空は青くて

 それでも海は静かで

 それでも陽射しは高くて

 それでも大地には花が咲いていて


 そしていつも風は知らんぷり


 こうしているだけでいい

 こうしていられるだけでいい


 日々移ろい行く景色に沈み込んで

 街のざわめきなんて気にしないで


 犬やネコのようにありたいな

 自由で気ままであくびして

 いつも無邪気に遊ぶのさ


 どこかで無くした純粋さ

 もしかしたらまた取り戻せないかな

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