風の洗礼

 今日は朝から胸騒ぎ

 空の色や木々のざわめきや波飛沫から

 これから来る儀式の気配が感じ取れるんだ


 遥か彼方の大地から春の使者がやってくる

 まだ残る冬の名残を吹き飛ばす

 荒ぶる使者がやってくる


 僕はこの日を待っていたんだ

 目も開けていられないこの風の日を

 何故そんなに気にかけてしまうんだろう


 それはきっとこの日を境に日々春めいてくるから

 季節の変わり目なんて曖昧なものだけど

 春だけはこの風の日がキッチリ分けているような気がするよ

 それまでの季節とこれからの季節をね


 まだまだ朝晩冷えるけど

 もうそこまで近付いている


 この風の洗礼を受けて

 冬の思い出にサヨナラをして

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る