紙ヒコーキ

 紙ヒコーキゆらゆら飛んでいく

 あの日の夕焼け滲ませて

 ずっとずっと見守っていたよ


 遠く霞む青い空

 雲は綿菓子のように薄く広く広がって

 野原に寝転んで眺めていたら

 全てが一つになっていく


 この宇宙の全ては繋がっていて

 だから欠けていいピースは一つもなくて

 でも吹き抜ける風にいつも揺られているよ

 せめて虫の羽でもあれば間違えずに済むのにな


 小さな花が咲いている

 寝転がって見た小さな大きな世界

 その景色の向こうで虫達の世界が息づいている


 橋を電車が駆け抜けていく

 気が付けば学校帰りの子供達がはしゃいでた

 その手には思い思いの紙ヒコ‐キ

 夕陽に向かって飛んでいくよ


 紙ヒコーキどこまでも飛んでいけ

 なくした夢を乗せて時代を越えて

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