お地蔵さん

上京してから

久方ぶりの帰郷ききょう


幾年いくねんもの間に

目紛しく変わってしまった

身近だったはずの風景


初めて見た新宅や

取り壊したあとの空き地があるなかで


車の窓から見えたのは

登下校を見守ってくれていた


小径にひっそりと佇む

苔を生やしたお地蔵さん


移り変わる時の中で

変わらないものはどれ位あるのかな


町を一望できる高台から見えた景色は

知らない土地のように思えた

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