花火大会

幼い頃から二人で見に来る

何回目かの花火大会


僕は私服で君は浴衣姿

いつもと違う君の姿にソワソワして


いつからだろうな

君を意識し始めたのは


歓声とともに

夜空には君を想う気持ちよりも

小さな花が咲き出した


花弁の照明は眩しすぎて

先行く後ろ姿のピントがぼやけてしまう

花弁の音響に掻き消されて

『好き』って言葉は届かない


「なにか言った?」

「ううん、なんでもない」


…今はいいか。

君が笑顔ならそれで


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る