4-彼女の夢
彼女の夢は、結婚して、子どもがいる温かい家庭を築くこと。
順調にみえた将来への展望だったけど、僕と彼女の間にはいつも引っかかっていることがあった。結婚は僕が卒業して、治療して、戸籍をかえて、仕事に就けばできると思っていたけど、出産だけは僕との間で叶えてあげることはできなかった。その話になると僕は弱気だしどうしていいかわからず、そのはっきりしない姿が余計に彼女を不安にさせて、ケンカの原因にもなっていた。彼女は子どもがすごく好きで、子どもをもつことを楽しみにしていた。その夢を叶えてあげるためにいろいろ模索したけど、なにも方法は見つからなかった。唯一あるとすれば、科学の進歩を待つことだけだった。でも、彼女はいつも最後は
「結婚は待つよ。子どもは・・・甥っ子たちで十分かな」
と笑ってくれた。そんな彼女をみて胸が苦しかったけど、とりあえず結婚できるように努力するしかなかった。彼女の悲しい顔をさせないために、僕は絶対教員にならないといけないと決意した。
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