【悪魔は願いを待っている】
「そろそろ願いを言ったらどうだ?」
「悪魔なのに律儀だよね」
「なのに、じゃない。悪魔だからだ」
「どういう事?」
「悪魔は己のためには力を使えない。願いを叶えるという契約を交わして初めて力を使うことができる。対価として死後の魂を貰うがな」
「私の魂も?」
「お前は命の恩人だから特別に魂は貰わずに叶えてやろうと言っただろう」
「ずっと思っていたんだけど、アヴァナスって悪魔っぽくないよね」
「何だと?」
「恩人とか気にしないで魂を取っちゃえば良かったのに」
「――」
「もしかして、今気付いた?」
「――俺の矜持に反するのでな」
「ふふ、そういう事にしておこうか。まだ魔力は戻ってないでしょう?」
「――まだだ」
「じゃあ回復するまでは願いはお預け。ランタンの中で炎のまま、のんびりしていてよ」
「勿体ぶりおって。くだらん願いなら承知しないぞ」
「はいはい」
「返事は一回!」
「はーい」
「全く――お前といると調子が狂う」
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