第2157話:キリマ・ライデュス~生前~
俺には生前という物は無い。
この世界で命は新しく生まれないのだから、生前が無い奴なんているわけがないと思われるがそんなことは無い。
そこそこの割合で存在している。
つまりは、生まれることができなかった奴ら。
どういう判定なのかはわからんが、生命と言う認定を受けたがまだ母親の腹の中にいたまま生まれることなく死んだ命が俺たちと言うわけだ。
だから、生前という物は俺たちにはない。
この世界に来たやつらが生前の話を懐かしみながら話しているのを見ていると何か妙な感じになる。
俺たちと同じぐらいの見た目をしているくせに、すでに人生を一度終えているんだもんな。
いろいろな経験をすでにしてきているだけあって、大人なんだけど、大人だからこそか頭の固さもある。
そんな人ばかりで相手をするのが疲れてしまうから俺たちは俺たちだけでつるむようになっていた。
簡単に言えば似たような境遇の奴らで同族意識という物が芽生えたという話だ。
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